『超高齢社会2.0』檜山 敦 著
平凡社(平凡社新書)
203p 780円(税別)
著者の檜山淳氏は、1978年熊本県生まれ。東京大学IRT研究機構特任助教、同大学院情報理工学系研究科特任講師などを経て、現在、東京大学先端科学技術研究センター専任講師。複合現実感、ヒューマンインタフェースが専門であり、超高齢社会をICT(情報通信技術:Information and Communication Technology)で拡張する「ジェロンテクノロジー」の研究に取り組んでいる。
ところで、日本の少子高齢化の深刻さを説明するのに、日本の将来の年齢別人口分布を予測したグラフがよく使われる。0歳から110歳までの年齢を縦軸、年齢別の人口を横軸としたグラフだ。2055年時点の予測では、85歳の人口が全年齢でもっとも多くなり、きれいな逆ピラミッド型になる。
このグラフは、とても暗い印象を与える。少数の若年層が多数の高齢者層を、とても不安定なかたちで支えなければならないことを示しているからだ。
65歳以上の人口が一国の総人口の7%以上を占める社会は「高齢化社会」、14%以上で「高齢社会」、21%以上になると「超高齢社会」と呼ばれる。日本の最新の統計では65歳以上の人口は全体の26.7%。立派な超高齢社会だ。そのような社会では、3人の現役世代が1人の高齢者を支えなければならないとされる。
檜山氏は、ふと、件の逆ピラミッド型のグラフをひっくり返してみた。するとどうだろう。多数の高齢者の層が、若年層を下支えする正のピラミッド型の、安定したグラフが出現したのだ。
若者が高齢者を支えるのではなく、高齢者が若者を支える。檜山氏は、そんな「逆転の発想」に未来を拓くヒントを見出した。



