医薬、ファッション分野への新たな挑戦
産業構造の変化を見極め、最適なソリューションをプラットフォームとして提供する――。日通が次なる挑戦分野として見据えているのが医薬品業界だ。
医薬品の温度・品質を徹底管理した物流施設の整備も進む
同業界では、欧米で制度化されているGDP(Good Distribution Practice=医薬品の適正流通基準)が日本国内でも近くルール化される予定で、流通のあり方が大きく変わろうとしている。
流通過程における温度管理やトレーサビリティなどの品質基準がより厳格化され、ロジスティクス管理もよりハイレベルの対応が求められるようになる。
「製薬メーカーもこの変化に対し、自社投資だけで対応することは難しい。
そこで、製造から販売までの一連の工程を、グローバル対応を含めて一元管理できるプラットフォームが必要になってくる。プラットフォームに参加することでコストを低減することができる」
同社では今後、輸送途上の温度管理履歴などをデータ化して製薬メーカーにフィードバックするITインフラの整備も含め、プラットフォームの構築を加速していく。
「当社はすでに欧州などでノウハウや知見を積んでいる。その経験をもとに、日本でも医薬品産業の多くのお客様に利用いただけるオペレーション体制を構築する。同じルールを適用し、将来的に全世界でスタンダードとなる仕組みを作れるかがキーになる」
そして、もう一つの挑戦分野が世界的なラグジュアリーブランドを対象としたハイファッション。ファッション産業ではファストファッションとハイファッションの2極化が進み、同社は、ハイファッションを強化する戦略を推進している。