ゴミがアート作品に!ある産廃処理業者の挑戦が集めた予想外の注目

2019年11月21日公開(2019年11月21日更新)
藤崎雅子

採用は倍率600倍も
多くの女性が集まってくれた理由

 「捨てる人にとっては単なるゴミでも、面白い素材だと感じる人もいて、新たなモノの魅力を引き出すことができる」――。そう手応えを感じた中台さんは、別会社のモノファクトリーを立ち上げ、廃棄物に関する企業の困り事について総合的にコンサルティングする事業を本格化。廃棄物が集まる仕組みと処理ノウハウを持つナカダイの事業との組み合わせにより、廃棄物処理業の新たなステージを切り拓いてきた。

ナカダイ代表取締役の中台澄之さん。証券会社勤務を経て、父親が経営していた同社に入社。業務の拡大や新規事業の立ち上げなどに尽力してきた

 その一環として、クリエイターや建築家とのコラボレーションによる、「新虎ヴィレッジ」のような空間デザインや、居酒屋の内装、テレビ局の撮影現場の裏方、各種イベント会場などへの素材提供に取り組んでいる。

 ナカダイとモノファクトリーの2社の売り上げに占める、コンサル業など新分野の比率は徐々に上昇。廃棄物の量に依存したビジネスからの転換は着々と進んでいるという。

 事業拡大の過程には、女性の感性も生かされている。産業廃棄物処理業というと男性中心の職場のイメージがあるが、同社では従業員の約4割が女性だ。現場でフォークリフトを操る女性従業員の姿も目立つ。

 「新しい事業を始めるにあたって『素材の新しい使い方を世の中に提案する仕事』というコンセプトを打ち出して人材募集したところ、約600倍の応募があり、その多くが女性でした。環境問題について理想を語るだけではなく、実践しているところに魅力を感じてもらえたようです」

 その後も男女関係なく採用活動を重ねたところ、結果的に女性従業員が増加。廃棄物の新たな利用法について日々アイデアを出すなど、彼女たちは貴重な戦力になっているという。

 また、同社は2011年より年1回、2社の日頃の取り組みの集大成として「産廃サミット」を開催している。当初は、廃棄物を素材としたプロダクトアート作品を展示するなど、「廃棄物の可能性を広く世の中に知ってもらう」ことを狙いとして、美術大学や取引先企業の協力を得て東京都内で行っていた。

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わざわざ群馬まで多くの企業が来訪

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