父親の金正日氏が2008年に姿を消した際には、健康悪化のうわさが流れた。韓国の当局者らは後に、正日氏が脳卒中を起こしていたことを知った。これを機に北朝鮮の政権内部では後継者選びの準備が加速した。2011年に正日氏が死去した際には、その情報が世界に伝わるまで2日間の空白があった。

 1986年11月、韓国国防省は記者団に対し、当時の北朝鮮の最高指導者である金日成主席が殺害されたと述べた。南北軍事境界線にある北朝鮮の前線部隊のスピーカーを通じ、そのような放送がなされていたことを理由に挙げた。

 北朝鮮の国営メディアはその数日後、金主席が平壌の空港でモンゴルからの賓客を出迎えていたと報じた。

 峨山政策研究院の高氏は、今回のうわさで最も目を引く点は北朝鮮の沈黙だと述べる。「北朝鮮がうわさを肯定もしていなければ、それを笑い飛ばす声明も出していないことは、注目に値する」

 金正恩氏が直近で国営メディアに姿を見せたのは4月12日のことだ。その際は、新型コロナウイルスに関する協議を先導している映像や、空軍基地を視察している映像が流れた。4月15日に行われた故金日成主席の生誕記念日を祝う式典には、姿を見せなかった。金日成主席は北朝鮮の建国者で、正恩氏の祖父にあたる。

 金氏の健康に関しては、過去1週間で臆測の材料が多数提供された。ソウルに本拠を置き、北朝鮮国内に情報源を持つというウェブサイトのデイリーNKは4月20日、金氏が心血管系の手術を受けた後、地方にある別荘で療養していると報じた。

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