審 査 員
国内外の企業経営に精通する審査員が、受賞企業4社を選定。
応募した企業には受賞のいかんにかかわらず詳細なフィードバックレポートを作成、企業のさらなる発展を期待した。
ワーク・ライフ・バランスは悪しき風潮
国際企業戦略専攻
名和高司 客員教授
仕事とライフは一体であり、働き方改革ではなく「働きがい改革」をすべき、というのが私の持論。ワーク・ライフ・バランスは、ゆとり教育と同じ悪しき風潮であり、若い人は自らの仕事を天職と考え、厳しい中でも育つ環境が大事だと考えています。企業はSDGsなどの「規定演技」に甘んじることなく、自社ならではの正義を本気で主張し、プラスαの「自由演技」で勝負する必要があります。利益を確保し事業を継続するのは資本主義の原点。私たちなりにフィードバックを行うので、より多くの企業に応募していただきたい。
過去の成功体験に縛られず若者に活躍の場を
渋澤 健 取締役会長
今、大学生の間では「社会に出たくない」と考えている人が増えているようです。就職しても、自分のやりたいことが表現できないと考えているのでしょう。過去の成功体験に縛られている企業が多い中で、今回の受賞企業は、いずれも20代で活躍できる場所を提供しており、就職予備軍への強烈なメッセージになると思います。日本の企業はよく「わが社の最大の財産は人だ」と言いますが、バランスシートを見ると資産としてどこにも計上されていない。この賞の認知が高まることで、人財を育てる企業の魅力が高まってほしい。
仕事は自己成長の場だと若い世代に知ってほしい
ソフィアバンク
藤沢久美 代表
今回の審査では、応募企業の若手社員にアンケートとインタビューを実施しています。その結果を見て、立派な理念を持ち世間的に評判の良い企業でも、社員にその理念が浸透していないケースがありました。理念につながる主観正義を柱に、若い社員が全力で働くことができる環境がある企業では、結果として、企業業績の向上につながることを、今回の結果が示しています。企業には、本賞への応募を通じて、自社が、社員が成長できる環境を整えているかを確認する機会にしていただき、若い世代には、仕事は自己を成長させる場だと知ってほしいです。