キャリアにつながるデータサイエンスを
同学部が目指すのは、先鋭的なデータアナリストだけではなく、データサイエンスを広く経済社会に応用し、ビジネス・観光・社会・スポーツなどの現場で、新たな価値を生み出す即戦力となる人材の養成だ。いわば、キャリアにつながるデータサイエンスである。
「データサイエンスとは、さまざまなデータを分析し、世の中を変えるような新しい仕組みを生み出すもの。理系の学問と思われがちですが、データの解析結果を“どのように活用するか”がポイントになる。そういう意味では、文理融合の人材が求められています」(吉川学長)
例えばビジネスの分野では、回転ずしの皿でデータを取り、ねたの需要を予測する。観光の分野では、旅行者の行動データから温泉街の活性化を図る。社会の分野では、交通量のデータからCO2排出量の削減を実現する。スポーツの分野では、選手の動きをデータ化し、緻密な戦術を組み立てる。つまりデータ分析を生かす発想力が問われるのだ。
「新学部には、データサイエンスの基礎、実践、発展分野で高度な専門的知識と技能を持つ教員が集結しています。データサイエンスは、今、社会が真に必要とする学際的な分野。教員の熱意が、全方位で価値創造を実現してくれると確信しています」と吉川学長は胸を張る。
立正大学の歴史は古く、その淵源は1580(天正8)年の日蓮宗の教育機関の創設にある。教育理念は〈「モラリスト×エキスパート」を育む。〉。ここでいうモラリストとは、基礎的な教養を身に付け、人の痛みを理解し、自らを律することができる人間のこと。その上で、専門分野を究めて行動を起こす人材(エキスパート)の育成を目指しているのだ。
伝統の上に築かれるデータサイエンス学部、社会に貢献する実践的な学びは、教育理念を具現化したものともいえる。「新学部だからこそ自由に夢を追ってほしい」と語る吉川学長。データ分析による価値創造に熱意を持つ学生の応募に期待を寄せている。