時価総額1兆円を実現、世界ナンバー1を目指す
当時の成約件数はさほど伸びなかったが、M&Aによって事業承継が決まり、経営者の安堵する姿を見た三宅社長は、M&Aの社会的意義を痛感、事業拡大を決意して成長戦略に切り替えた。同時に「社会的信用を高める目的」(三宅社長)で2006年、東証マザーズ上場、翌年、東証一部指定替えを果たす。同社のカバーする領域は中小企業だけでなく、大企業から個人商店まで幅広く、更にはASEANを中心とした海外にも拠点を広げている。
業績は極めて順調だ。売上高・経常利益共に右肩上がりを続け、10期連続で過去最高益を更新(20年3月期)、成約件数は10年(10年比)で5・6倍の885件(20年3月期)に達した。投資家の期待も大きく、企業の業績や成長期待を表す時価総額は1兆円を超え、「世界的なラージキャップ(大型株)・カンパニーの仲間入り」(三宅社長)を果たしている。
同社の強みは、創業から29年にわたって蓄積したノウハウと、日本全国に広がる会計事務所や金融機関のネットワーク、そして400人を超えるM&Aコンサルタントによる組織的なマッチング力だ。地方創生をけん引する力ともなっている。