神田 個々の消費者の心を捉えるオンライン広告を展開するには、広告媒体に当たる広告ネットワークの選定や広告表現、掲載頻度など、さまざまな角度からのきめ細かな分析が必要だと思います。例えば、グーグルのオンライン広告配信サービスである DoubleClick では、どのような分析が可能になるのでしょうか。

村松 ディスプレイ広告や検索広告は、そこから消費者を広告主のサイトに誘導するのが存在理由ですが、広告主にとって気になるのは、それが購買やブランド認知にいかに結び付いたのかということです。

 通常、広告ネットワークなどが提供するリポートでは確認できることが限られていますが、 DoubleClick で広告を配信すると、「何人が何回閲覧したのか」「何秒閲覧したのか」「何回閲覧してから広告主サイトに移動したのか」といった緻密なリポートが得られます。

 例えば、広告を見てすぐにサイトに移動したが滞在時間10秒で帰ってしまった人と、移動はしなかったけれど広告を60秒間も見た人とでは、むしろ後者のほうが商品やブランドに強い印象や関心を抱いた可能性もあるわけです。そうしたきめ細かなデータに基づいて、より適切な広告の設計やキャンペーン展開をプランニングできるのが DoubleClick の大きな特徴の一つだといえます。

多様な広告を統合化した
次世代の
広告配信サービスへ

神田 DoubleClick では、具体的にどのようなサービスを提供されているのでしょうか。

村松 DoubleClick は、もともとディスプレイ広告の黎明期に当たる1996年に米国で誕生した広告配信サービスで、2008年にグーグルの傘下に入りました。グーグルとの一体化により、ディスプレイ広告や検索広告、動画広告など、幅広いジャンルのオンライン広告を配信できるテクノロジーを確立し、米国では広告配信テクノロジーとして圧倒的なシェアを誇っています。

 DoubleClick のテクノロジーを用いれば、オンライン広告のプランニングから運用、ターゲット設定、ターゲットごとの最適化、分析リポートの作成など、オンライン広告の配信に関わるすべての作業を行うことができます。

 先ほど述べたように、きめ細かな分析ができることが魅力の一つですが、広告の配信や管理についても、一つの管理画面で複数の媒体に対応できるのが大きな特徴なのです。