知的財産の創造から保護、活用までをトータルにサポートする日本弁理士会。同会では今、農林水産ビジネスに詳しい弁理士を育成、無料相談窓口を設けるなど、農林水産ビジネスにおける知的財産の活用を積極的に促進し、日本のアグリビジネスの競争力の向上に貢献している。
日本弁理士会では定期的に「農林水産知財対応委員会」を開催(コロナ禍のためオンラインでの開催)し、農林水産知財に関する調査研究を実施している
日本弁理士会
清水善廣 会長
清水善廣 会長
弁理士とは、一言で言えば知的財産(知財)に関する専門家である。人間の知的な活動から生じる創造物のことを知的財産といい、それに関する権利を知的財産権という。知的財産権には、特許権・実用新案権・意匠権・商標権・著作権などがあり、弁理士はその適正な保護や利用の促進を行い、経済や産業の発展に資することを使命としている。その弁理士がアグリ(農業関連)ビジネスにおいて重要な役割を果たしていることは、あまり知られていない。
「農林水産は1次産業ですが、知的財産を適切に組み合わせて活用することで、その成長を加速することができます。特に農業分野では、ノウハウを秘匿することなく共有するという考え方が強く、権利保護の対象であるという意識が希薄ですが、優れた品種や独自の生産技術などを知的財産として捉え、それを上手に活用することは、農林水産ビジネスを高収益化するとともに、日本の産業競争力を高めることにつながるのです」
そう語るのは、日本弁理士会の清水善廣会長だ。