【進化する農業】「知財ミックス」で高収益化と保護を実現する

 いずれにしても、アグリビジネスにおける品種登録は、もはや海外でも行うことは必須。そもそも近年、日本の新品種の国内登録出願数は減少傾向にあり、海外に後れを取っている。優良な新品種は農業の強みの源泉でもあるため、知的財産の保護は喫緊の課題なのだ。

 そして生産者にとっては、品種登録を軸とした知財ミックスも重要になる。

「例えば、高級イチゴの『あまおう』(品種名『福岡S6号』)の場合、育成者権と商標権をミックスして上手に活用しています。商標登録は更新によって永続的に使用できるため、品種をリニューアルした場合も、『あまおう』ブランドの使用が可能になり、果実飲料などの加工品分野でもブランド展開がしやすいというメリットがあります」(伊藤弁理士)

 品種登録はタイミングが重要で、販売が始まってからでは遅い場合がある。新品種の育種方法や栽培方法の特許を取得してから、段階を踏んで品種登録するなどの方法もあり、知的財産を保護しつつ戦略的な知財ミックスを行うためには、やはり専門家への相談が必要なのだ。

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