大滝 PBは単純に手数料を抜いてるだけなんですよ。シンガポールも日本もPBは5~7%は抜いてるんですよね。PBが運用しているからスーパースペシャルなものが出てくるという話ではない。「PBと付き合っているとかっこいいよね」がかなり大きいのでは。

長谷川 PBが何か特別なことをしているわけではないですよね。提案できる人がいるかどうかでも変わるけど、基本は金融ブローカーですから。こっちの製品を持ってきて数十パーセントとか乗っけて客に売ってるだけです。住宅ローンが安くなることもありますが、ゼロ金利政策の中、都市銀行と変わらないですよ。少なくとも日本の銀行免許では特別なことはできないですね。海外のPBでも特別というと「お客さまだけには上場前の株がいくらか押さえられる」だとか、「特別な仕組み債をつくりますよ」とかですかね。しかし、本当に特別かは分かりません。

写真:アルケゴスPhoto:Bloomberg/gettyimages

大滝 カタカナだったり英語のPBと付き合うのはかっこいいから、損しても得してもいいか、ってお客さんもいますよね。結局PBも海外の節税手段も陳腐化しているのは間違いない。でも顧客側からすれば、何やっているかよく分からないから、ずっと「何かすごいことやってるんじゃないか」という外部の妄想が生き残ってて、ロマンがあって、というか。

舟形 あと、PBは税周りとか法律のとこは基本的には何もできないですよね。

大滝 シンガポールのPBと弊社の提案とで競合したことがあって、「非課税ですよ!シンガポールで」と言うけど、詰めていくと「詳しいことは日本の税制に従ってください」とガード文言として言われてしまう。

長谷川 彼らにとって良い客は「動く客」なんですよね。ですからその銀行のスタンス次第ですよね。ファミリー系だとトラスト(信託会社)や安定的な公社債が多いけど。上場投資銀行はお金を稼がなきゃならないので、株やデリバティブやスワップを勧めてくる銀行も多い感じですかね。結構リスクが高い商品なのに。しかし、最近は顧客のリスク許容度によって、シンガポールやスイスでも勧められる商品が変わってきています。

舟形 そもそも、フィンテックが進んだのでPB使わなくても、顧客が自分でショートポジションをつくることもできるようになりましたしね。海外証券を使って自分で組み合わせれば何でもできるようになった。リテラシーが高い方は自分でやっちゃいますよね。

長谷川 海外証券などの発行元がしっかりしてればですね。ギリシャショックのときには発行元が気になりましたね。

大滝 昔はPBに頼まなければできなかったオプション取引だって今はネットでできちゃうしね。

佐嶋 その話でいうと、PBが仕組み債売るのがしんどくなってるみたいですね。

舟形 情報の非対称性がなくなってますからね、顧客と業者の間で。

大滝 PBって何かと保険の提案ばっかりしてますよね。

佐嶋 シンガポールDBSと組んでるブローカーが、何十億円の保険に加入させるのに、メディカルチェックとカジノ付きの旅行に顧客をご招待してましたよね。エアチケットとホテルが付くやつ。まあそれだけ手数料は上乗せされるわけですけど。

――あれ、海外の生命保険って日本人は買えないんですよね?

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日本人は買えないはずの海外生命保険、ホントはどうなの?

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