佐嶋 そう。シンガポール、香港、スイスで売られているほとんどの金融商品や節税商品は日本でも買えるけど、保険に関してだけは日本人が海外のものを買っちゃダメ。日本の保険業界の環境は閉鎖的なので、保険会社が異常な利益体質を維持できてますよね。海外に出れば他国の金融商品と同じ土俵で戦うことになるわけですが。海外の保険商品自体は優れたものが多い。レバレッジがかけられるというのが大きいですよね。だからシンガポールや香港に赴任している人は「こっちに居住中に保険入っておいて」っていうのが現地の駐在員ネットワークの中で伝達事項になってて。
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――その後帰国しても大丈夫?
佐嶋 契約時に居住地が海外であれば大丈夫ってことみたいです。まあ、でも基本グレーですよね。それって「大麻が合法な国では吸ってもOK」というのと同じなんで、基本は微妙です。
大滝 僕も入りに行きましたもん、海外に。保険が買いやすいのは日本人はシンガポール、香港、ハワイですかね、香港はああなっちゃったんで先行き不透明ですけど。僕はハワイで入りました。法人つくって。
長谷川 ハワイは優遇制度はありますか?
大滝 優遇はないんですけど、日本人としては米国で保険に入れないので、ハワイの法人を設立して、会社として入る感じです。
佐嶋 シンガポールもそうじゃない?日本人は個人では入れないのでは。信託とかかませてなんかやってますよね。個人の居住者というだけだと5年前まではよかったんだけど、その後はダメになっちゃったのかな。信託経由にしますって人が多いですね。
大滝 香港は今でも個人で入れるはず。でも今はちょっと先行き考えると怖いですよね。香港のブローカーは「香港には何も起きていない」と言い切ってます、うん……。
――手数料って何パーセントくらいなんですかね、海外の保険は。
大滝 商品によって違いますけど基本的に5~10%。レバ(レッジ)かけたらそれがどんどん増えていくのでまあまあいい商売になりますよね。今は金利が低いので、海外の保険の利回りもあまり良くないんですよね。手数料も当然減ってるでしょうから、レバがかかってる保険は売る方ももうかるので、業者のノルマからいってもターゲットにしやすい。
――レバをかける保険の仕組みはどうなっているんでしょうか?
大滝 死亡保障金額は日本だと7億円などと上限が決まっていてそれ以上入れないですよね。それが海外では、契約者が保険会社から融資を受けて保険に入ると、その上限は100億円などに跳ね上がる。
佐嶋 死亡保険金としてはある程度固定されてるケースが多い。基本は保険という名前は付いてるけど、単に運用しているだけで、解約したときには運用したものが返ってくるという。オフショア保険とかだと、日本でいうラップ口座のような感覚で保険契約の中で自分の指図で売買していい、みたいなのもある。その保険契約の中でいくら売買しても利益が実現していないし返戻金もなく、A株からB債券に振り替えたとしても契約の中でやっているものなので、一切課税されないという整理です。それで「複利で運用GO!」みたいな立て付け。
シンガポールとかでも5億~10億円出して30億~50億の枠でひたすら複利運用をして数十年後に100億を目指します、ってやつですよね。実際運用しているもののスプレッドがひたすらキャリーで出ますよ、という。金利が上がるときついですよね。金利固定のやつは見たことがないので。あと追い証あったんじゃないかな。
長谷川 僕は保険はやってない。あまりうまみ感じないんですよね。30億やって1%抜く、年間で3000万円ですよね。だったら劣後ローンを3階建てにした方がいいのでは。でもそうか、レバレッジかけてもローンはローンで元本があるから税務当局にばれちゃいますもんね……。
舟形 やり方次第だと思いますけどね。相続税が莫大な人で死亡保障も必要な人はよく保険でやります。
――総合的に見るとやっぱり保険は節税手段としてはまだまだポピュラーということなんでしょうか。
大滝 うーん、どうでしょうねえ?



