1位のRVHは21年3月期の売上高が97%減
3位の五洋インテックスは上場廃止
ランキングワースト1位になったRVHは21年3月期の売上高が14.7億円で、前年同期の545.2億円から97%以上減った。54.5億円の最終赤字を計上しており、21年3月末時点の純資産16.5億円を大きく上回る規模だ。
RVHは96年にリアルビジョンの社名で創業し、当時は3次元グラフィックス向け半導体を開発していた。14年以降はM&Aを積極的に展開し、美容サービス大手のミュゼプラチナムや不二ビューティ、レディス向けアパレルのラブリークィーンなどを次々に買収し、事業を拡大していった。
しかしコロナ禍の影響もあり、買収した企業の採算性が悪化。ミュゼや不二ビューティ、ラブリークィーンを次々と売却し、レディスサービス事業から撤退した。なお、ラブリークィーンは売却から13日後の20年6月16日に倒産している。
20年3月期の売上高のうち、ミュゼは72.3%を、不二ビューティは17.2%を占めていた。主力事業を切り離し、運転資本が激減したことなどがワースト1位になった理由だ。同社には継続事業の前提に関する重要事象等が付いている。
2位のスリー・ディー・マトリックスは、米マサチューセッツ工科大学が発明した自己組織化ペプチド技術を基にした医療製品の開発などを手掛けるバイオベンチャーだ。21年4月期の売上高は10.2億円、最終赤字は20.1億円と研究開発費など投資費用が先行し、利益剰余金は約192億円のマイナスである。
20年4月期の自己資本比率は1.8%まで低下したが、第三者割当増資の実施で約35億円を調達し、21年4月期は34.5%へと改善した。同社には継続事業の前提に関する注記が付いている。
3位の五洋インテックスはカーテンを手掛け、7月26日に上場廃止になった。21年3月期の売上高は前年同期比24.8%減の9.1億円で、最終赤字は5.7億円。6300万円の債務超過に陥っていた。
加えて同社は20年3月、四半期決算書の訂正報告の開示を怠ったことなどから、「内部管理体制が不十分」として東証が特設注意市場銘柄に指定。21年3月に内部管理体制確認書を提出したものの、東証が確認したところ「改善策の実施状況に関して、再発防止プロジェクトの実態や、会計監査人との連携状況などにおいて、虚偽の記載が複数箇所でなされている」(東証)。東証は「内部管理体制等について、改善の見込みがなくなった」と断じ、上場廃止を決めた。
ワースト100位までの企業を見ていくと、外食やホテル、アパレルというコロナ禍で打撃を受けた「衣・食・泊」の3業種の多さが目を引く。また、ANAホールディングス(38位)や日本郵政(83位)、東京電力ホールディングス(93位)といった大企業も名を連ねる。
ただし、Zスコアが危険水域にあるからといって、その企業が必ずしも倒産するとは限らない。企業の生死を完全に示すものではない。あくまでも参考資料として見ていただきたい。
また、電力や不動産、鉄道会社といった、業種の特性上、他業種に比べ有利子負債が大きくなりやすく、総資産が膨らむ傾向にある業種の場合は、スコアは低めに出やすい。歴史の浅い企業は、利益の蓄積が少ない分、内部留保を反映する指標が低くなる。そうした特性を考慮に入れて、ランクインした企業の顔触れを見てほしい。
Zスコアは米国の会計基準に基づいており、日米の会計基準の差は考慮されていない。また、導入する日本企業が増加しているIFRS(国際会計基準)が生まれる前に考案された指標である。
とはいえ、キャッシュフローを重視する点、有価証券の時価評価などで三つの会計基準が近づいていることは事実である。Zスコアで日本企業の財務状況を分析する意義は十分にあり、倒産リスクすなわち信用リスクを測る上で参考となる資料だ。
Key Visual by Noriyo Shinoda, Graphic:Daddy’s Home






