倒産危険度ランキング#ジャパンディスプレイPhoto:cnythzl/gettyimages

最終赤字が7期連続と不採算体質が続くジャパンディスプレイ。ダイヤモンド編集部の倒産危険度ランキングでワースト上位企業の常連で、今回もワースト10位にランクインした。再建は可能なのか。特集『廃業急増!倒産危険度ランキング2021』の番外編では、ジャパンディスプレイの大河内聡人・代表執行役CFO(最高財務責任者)を直撃し、打開策を聞いた。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)

倒産危険度ランキングワースト10位
ジャパンディスプレイのCFOを直撃

 新型コロナウイルスの感染拡大で多くの企業が打撃を受け、倒産事情も激変した。そこでダイヤモンド編集部は上場企業3787社の「倒産危険度(Zスコア)」を総点検。リスクの高い493社をあぶり出した(本特集#1『倒産危険度ランキング2021【ワースト1~100】上場廃止オンキヨー29位、1位は?』参照)。ワースト10位となったジャパンディスプレイの大河内聡人・代表執行役CFO(最高財務責任者)に、現状の打開策を聞いた。

根本の原因は白山工場の建設
今期の黒字化は「正直難しい」

――最終赤字は7期連続で経営不振が続き、財務状態も悪いです。

 数字は結果ですが、PL(損益計算書)だけでなく、BS(貸借対照表)上の問題も抱えていました。根本の原因は白山工場(石川県白山市)の建設。投資がうまくいかず、巨額の遊休資産と負債を抱えた。液晶ディスプレー需要を見誤りました。

 白山工場の売却など構造改革を実施し、いちごトラストやINCJからの資本増強でBSの改善は進みました。それでも自己資本比率14.3%や、手元資金約440億円はまだ十分ではないので、売掛債権の流動化など資産圧縮を進め、財務をさらに強化していきます。

 また、PLはまだ黒字化していません。2022年3月期の業績見通しは売上高しか開示していませんが、足元を踏まえれば、今期の黒字化は正直難しい。それでも第4四半期単体で、まずEBITDAを黒字化します。7月単月でのEBITDA黒字化は見えてきました。23年3月期に営業利益を黒字化、その先にフリーキャッシュフローの黒字化と、段階的にPLの改善を進めます。

――第4四半期のEBITDA黒字化のハードルは。