中国の資源需要は
2030年頃まで堅調
今回の中国政府の決定は、塾などの余分な出費を規制して子どもの養育費を削減し、少子化に歯止めをかけることが目的だろう。
国民の数を増やすことは移民などの受け入れによって可能であるが、中国は14億人からなる国である。国連の推計によると、中国は人口オーナス期に入る32年からの10年間で、人口は2000万人程度減ることが予想されている。
最も移民を受け入れてきた米国でも、国連の推計では2010年からの10年間で974万人しか移民を受け入れていない。
ただでさえ人権問題で世界的に批判されている中国が、これをはるかに上回る移民を他国から引き受けて人口減少を食い止めるのは非現実的だ。移民を受け入れずに人口減少を食い止めるのならば、国内での子作り奨励という選択肢になるのだろう。
しかし、生活様式が一度変わった社会のありようを変えることは難しいし、それに対する反発も強いと予想されることから、中国政府は思想教育も合わせた政策変更を行ったのではないだろうか。
中国共産党は、中間所得者層の拡充も主要な政策に掲げている。
中国では2010年頃から農村部人口が都市部人口を下回った。米国による関税引き上げによる制裁が続く中で、製造業はより安価な労働力を求めて中国国外に流出した。
発展途上国が経済発展したのちに成長が鈍化する「中所得国の罠(わな)」に中国が陥っている可能性は低くない。中国政府はこれを何とかしたい、と考えているのだろうが決して容易ではない。
人口オーナス期に入れば、中国の工業向けの資源需要の伸びは、減速していくと考えるのが妥当だろう。ただし、これは長期的な見通しだ。中国の資源需要は30年頃まで増加していくことが予想され、特に消費シェアが大きい鉱物資源の需要動向は中国の動向が左右することに変わりはない。



