化石燃料の減少で
鉱物資源価格に上昇圧力
新型コロナウイルスの感染拡大を契機として、環境重視型社会へのシフトが世界的に加速することになった。
今回は大規模なロックダウンで経済が停滞し、ようやく温室効果ガスの削減目標を達成できるレベルとなった。それゆえ、ロックダウンの解除後に向けて、「再生可能エネルギーシフトを進めるべきだ」という欧州の政治的な主張が世界的に通ったということだろう。
基本的に環境重視の考え方に反対する人はほとんどいない。「環境か、経済か」という二者択一ではなく、白と黒の間でバランスを取る形にした方がよいと思うのだが、現在は環境の重視に強いバイアスがかかっていることは間違いなさそうだ。
現在、世界で積極的に進められているのは、電力について、(1)化石燃料を用いた発電から温室効果ガスを発生させないネルギーにシフトさせる、(2)発電した電気を無駄にしないように熱効率を改善する、(3)電気を備蓄できる体制を作る、の3点である。
ここで注目するべきは、化石燃料の使用を減らすために、その他の資源が必要になる点だ。再生可能エネルギーにシフトさせることで、太陽光発電や風力発電に必要な原料の需要が増加するということである。