AKKA Technologiesの株式取得で合意
名実ともに唯一無二の存在へ
アデコグループでは、アデコ株式会社にあるテックソリューションサービスを株式会社VSN と統合し、2022年から Modis株式会社としてリスタートされる予定です。その経緯と狙いについてお聞かせください。
先ほども述べたように、Modisはテック・コンサルティング、テック・タレント・サービス、テック・アカデミーの3つのサービスで構成されていますが、これまでテック・タレント・サービスはアデコがModisというブランドで、またテック・コンサルティングとテック・アカデミーはVSNがModis VSNというブランドで提供していました。
2022年1月の統合後は、社名はModis株式会社、ブランドはModisに統一し、この3つのサービスをワンストップで提供していきます。
川崎健一郎 KENICHIRO KAWASAKI青山学院大学理工学部を卒業後、ベンチャーセーフネット(現VSN)に入社。VSN常務取締役、専務取締役を経て2010年代表取締役社長に就任。2012年、VSNはスイスに本社を置くグローバル総合人材サービス企業アデコグループの傘下となる。2014年アデコグループの日本法人、アデコの代表取締役社長に就任(兼任)
これまでも、3つのサービスはアデコとVSNが緊密に連携しながら提供していたのですが、組織もブランドも一本化したほうが、お客様にとってわかりやすく、連携もしやすいだろうということで統合することにしました。
社内的には、この統合によって人財が異動しやすくなるというメリットもあります。別会社のままだと、アデコの派遣社員として活躍していた人財がVSNでコンサルティングに携わりたいと思った時には、転籍しなければなりません。一つの会社になれば、社内異動で済むので人財のキャリアチェンジが容易になります。
もう一つ、最近のトピックで伺いたいのが、2021年7月に合意したハイテクエンジニアリングのコンサルティング大手AKKA Technologies(アッカ・テクノロジーズ、本社ベルギー)の買収です。この狙いは何でしょうか。
Modisは、スマートインダストリーを支援するグローバルリーダーになることを目指しています。AKKAの買収は、その目標を達成するための重要なステップでした。なお、株式の取得については、2022年上半期中の完了を見込んでいます。
スマートインダストリーに関連する技術はさまざまですが、Modisはコグニティブテクノロジー(認識技術)、DX、クラウド&インフラ、スマートエコシステム、インダストリー4.0の5つの最先端技術にフォーカスしており、これらによって自動車・運輸、環境エネルギー、ソフトウェアおよびインターネット通信、金融サービス、製造業の5つの産業の変革を支援することを目指しています。
こうした戦略を持つModisとエンジニアリング市場における強みと実績があるAKKA Technologiesが互いに協力することで、スマートインダストリーにおける牽引者になるというModisのビジョン実現に一歩近づきます。
ModisとAKKAの統合が実現すると、エンジニアやコンサルタントは世界で合計約5万人、2020年度の売上高を合算すると37億ユーロ(約4800億円)となり、エンジニアリング&研究開発(ER&D)市場において、IT、エンジニアリング、デジタル分野の総合的なサービスを提供する世界第2位の企業となる見込みです。名実ともにスマートインダストリーにおけるグローバルリーダーとなるための土台が整うと言えます。
最後に、新生Modisとしての今後のビジョンについてお聞かせください。
新たに設立されるModis株式会社は、「人財の創造と輩出を通じて、人と社会の幸せと 可能性の最大化を追求する」を企業理念に掲げます。
天然資源に乏しい日本にとっては、人財こそが最大の資源です。Modisという会社から、優秀な人的資源を数多く送り出すことで、人と社会の幸せに貢献したい。ここで言う「人と社会」は、お客様や当社の社員だけでなく、社会のあらゆるステークホルダーを指しています。
企業レベルのDX、産業レベルでのスマートインダストリーへの変革だけでなく、デジタルを活用した社会課題の解決まで、当社グループのVIが伴走することで人と社会の幸せに貢献していきたい。そういう大きなビジョンの下にスタートダッシュをかけたいと思っています。
■問い合わせ先
株式会社modis
〒108-0023
東京都港区芝浦3-4-1 グランパークタワー3F
アデコ株式会社
〒100-0013
東京都千代田区霞が関3-7-1 霞が関東急ビル
https://www.adeccogroup.jp