円高でも円安でも困る?

 一般論として、悲観的なことを言いたがる人が世の中には多い。「円高だと輸出企業が困る」「円安だと輸入物価が上がる」と言いたがる評論家も多い。彼らは「円高だと輸入物価が下がってうれしい」「円安ドル高だと輸出企業がもうかってうれしい」とは言わない。それは、悲観論のほうが賢く見えるからであり、聞き手の興味関心を引くことができるからではなかろうか。

 マスコミも、楽観的なことよりも悲観的なことを好んで報道する傾向がある。「大丈夫だろう」と言うより「心配だ、問題だ」と言うほうが読者や視聴者の関心を引けるのだ。

 したがって、われわれは評論家やマスコミの話をそのまま受け取るのではなく、「実際の世の中の姿より暗い話をしているに違いない」という警戒心を持つ必要がある。

 最近まで「円高は日本経済に悪いから円高を阻止しなければ」と言われていたのを思い出そう。円高も円安も一長一短なので、どちらでも大したことはない、という気がしてくるのではなかろうか。

 本稿は、以上である。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織などとは関係がない。また、わかりやすさを優先しているので、細部は必ずしも厳密ではない。

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