大学生、企業、国が激論!プラスチックの大量生産・大量消費・大量廃棄から脱却し、「持続可能なサーキュラー・エコノミー」を実現するためには?

「消費者が企業に期待したいこと」に対しての企業の本音とは?

 次に「消費者が企業に期待したいこと」の投票結果(3ページ掲載)の上位が、容器包装無し(パッケージレス)となっている点について企業各社から、パッケージレスに向けた取り組みを進めたい一方で、品質保持・安全性の課題や、消費される国・地域の気候的特性や法律上の制約といった事情があることを踏まえ、どういうことに悩み、どのような挑戦をしようとしているのか、議論がなされた。

 ネスレ日本の嘉納未來氏は、25年までにバージンプラスチックの使用を3分の1減らすという目標を掲げているが、そのためには、極力無駄を省いたり、発想自体を転換していく必要があるとした。

 ファシリテーターの枝廣氏は、「以前は酒もしょうゆもみりんも全て一升瓶を使っていた時代があった」という話を例に、パッケージについてはかつてのように統一するなど、企業が他社と競争するところと一緒に共創すべきところとを、しっかり見極めることが大事ではないか、との提起がなされた。

 それに対してキリンホールディングスの別所氏は、ペットボトルにおいては、容器を統一化することで水平リサイクルが推進されたという「共創」と、各社がしのぎを削った結果、薄型軽量化の技術が発展した「競争」の双方の事例を挙げ、持続可能なサーキュラー・エコノミーの実現に向け、共創と競争とを戦略的に使い分けていく未来像を示した。

大学生、企業、国が激論!プラスチックの大量生産・大量消費・大量廃棄から脱却し、「持続可能なサーキュラー・エコノミー」を実現するためには?大学生の落合氏は、立場の違う人たちが混ざりあうことで新しい可能性が見えてくること、さらに世代を超えて、価値観をもっと広げた議論が、共創の大事な要素になると述べた
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