たった90日で劇的に成績を上げる新メソッド、一挙公開! 学年最下位をとっていた落ちこぼれが、勉強に目覚め、たった90日で「京大模試D判定⇒A判定&全国1位」に。そして京大に合格。そのときの勉強法を再現性あるものに練り上げ、「いつ、どの教科を、どう勉強するか」という受験戦略を構築。その勉強メソッドをまとめた『逆転合格90日プログラム』が10月11日に発売された。この特別寄稿は、その著者であり、予備校講師として、早慶上智、難関国公立、医学部など、多数の合格実績を叩き出している篠原好氏が考える「東大英語攻略法」だ。

東大英語の難しすぎる問題、3つの攻略ポイントPhoto: Adobe Stock

東大英語の「ここ」が難しい!

 本日は、東京大学の英語の攻略方法について紹介します。東大英語を野球でたとえるなら「球種の多彩なピッチャー」と言えます。

 自由英作文の問題を見てみましょう。例えば早稲田大学では「不老不死が実現すれば、人々はもっと幸せになれるか?(2014年度・政治経済学部)」といった哲学的な問題が出ます。

 一方、東京大学では「新たに祝日を設けるとしたら、あなたはどのような祝日を提案したいか。その祝日の意義は何か。また、なぜそのような祝日が望ましいと考えるのか(2019年度)」といった問題が出ます。

 内容のレベルを問わなければ中学生でも答えられそうなテーマではありますが、自由英作文としては事前の対策が非常に難しく、柔軟な発想や応用力が問われます。

東大英語が難しい2つの理由

 東京大学の英語は「①とにかく量が多い」「②聞かれる問題パターンが多い」という特徴があります。試験時間が120分あり、そのうち30分はリスニングのために使わないといけません。

 残り時間は90分ですが、その90分で「要約問題(大問1A)」「超長文問題(大問1B)」「英作文問題(大問2A・2B)」「文法問題(大問4A)」「和訳問題(大問4B)」「随筆文問題(大問5)」を解かないといけません。記号問題もありますが、ほとんどが記述問題です。

 まさに「ストレートも、カーブも、スライダーも、フォークも、チェンジアップも、投げる事ができるピッチャー」と言えるでしょう。この試験を突破するポイントは次の3つです。

①リスニングでしっかり点を獲る

 30分はリスニングに奪われます。どうせ30分かけるなら、リスニングの対策はしっかりしておいて、正答率を上げることが重要です。しかも、リスニングは記号問題なので「部分点」ではなく、点数をバシッと獲ることができます。また、2回も読んでくれるので、問題としても解きやすいです。東大英語のリスニングは「ボーナスステージ」なので、リスニングでしっかり点数を獲りましょう。

②得意で好きな傾向の大問から対策する

 東大英語は大問の数が豊富です。いきなり全部の大問を解けるようにするのは難しいので、まずは1つ、大問を決めて、その大問の対策のみをやってみましょう。

 これまでの指導経験上、「要約問題(大問1A)」は「とっつきやすい」と感じる人が多いです。英文が短めで、単語もわかりやすいので、模範解答に似た答案が書けるためです。逆に、「文法問題(大問4A)」と「随筆文問題(大問5)」を苦手とする生徒が多い印象です。

③「東大対策は時間がかかる」という前提で勉強する

 最も重要なポイントが「東大対策は時間がかかる」ということです。「とにかく球種の多彩なピッチャー」というのは、英語に限った話ではありません。

 数学に関していえば、文系でも、理系並みの応用問題を対策しないといけません。そして理系でも、古文漢文を含めて国語の記述問題が解けないといけません。

「やることがとにかく多い」のが東大の傾向です。英語に関していえば、高校2年生の段階でほぼ完成している必要があります。高校3年生になったら、文系は社会、理系は理科に時間を奪われるからです。