変化を続けることで
成長を続けてきた
非常に興味深いのは、同社の半世紀を超える歴史が、三井住友フィナンシャルグループやNTTデータグループといった大手資本の下での安定成長の歴史にとどまらないことだ。JSOLの歴史は、環境の変化に応じて自ら能動的に変化してきた変化の連続の歴史でもある。
「変わることが目的だったのではありません。お客さまのニーズの変化やテクノロジーの進化に対応してきた結果です。常にお客さまに応え続けるからこそ、JSOLはこれまで成長を続けることができた。これからはますます“変化が当たり前”の企業にしていきたいと考えています」
そう語るのは、22年6月に就任した同社の永井健志社長だ。
これまでのJSOLの変化の大きさは、売り上げシェアに明瞭に表れている。都銀のシステム開発をメインとする部門から独立した経緯から、金融ビジネス向けの開発が軸と捉えられることが多いが、現在の金融向けのシェアは10%強程度。金融以外にも、放送や新聞・出版などのマスメディアを含む幅広い業種の企業をクライアントに持っている(下図参照)。
「当社はモノづくり分野でのCAE(コンピューター支援開発)に幅広く取り組んできており、多くのメーカーさんから支持をいただいています。例えば『JMAG』というプロダクトは、モーターによって生まれる磁界のシミュレーションに用いられる電磁界解析ソフトで、すでに電機業界から高い評価を得ています。今、これが自動車業界でも使われるようになってきた。各社が車の電動化に力を入れているからです」
こうした展開が生まれているのはJSOLが、得意とする分野にとどまらず、新たな分野に挑戦し続けてきたからこそだ。
JSOLではパートナーシップの継続率(売り上げの上位50社のうち取引年数が3年を超えるクライアントの比率)が90.0%と高い。変化への対応に迫られている多くのクライアント企業に、JSOLが自らも変化して適切なソリューションを提供し続けられていることの証しだろう。実際、クライアントのJSOLに対する総合満足度では肯定的回答の比率が86.8%に達している。