安定も変化も
支えるのは人財
永井社長は同時に、「三井住友」「NTT」という日本を代表する大手企業グループをベースとし、長い歴史と多くの人財を持つJSOLの安定性も、大きなアドバンテージだと捉えている。
「それまでとは違う分野、違う技術に取り組む上で非常にありがたいのは、技術やビジネス、資本、そして人財などの面で当社に安定した基盤があることです。変わり続ける会社だといっても、こうした基盤をおろそかにするわけでは全くありません。むしろ、安定した基盤を大切にするからこそ、新しいことに挑戦して変化することができると考えています」
JSOLでは金融業界向けの売り上げシェアが10%強だと紹介したが、それはこの分野のビジネスを抑制したためではない。それ以外のセクターを対象とした事業が大きく伸びたためであり、金融向けソリューションは現在も同社の大きな柱の一つとなっている。
同社が変化に加え安定した基盤を重視する姿勢が最もよく見て取れるのは、同社が「人財」と呼ぶ人材への取り組みかもしれない。
多彩で優秀な人財が継続して働いてくれることは企業の存続の基礎である。しかし国内のIT業界では人財の確保や定着に苦労しているところも少なくない。この課題の解決に向けての施策と成果では、JSOLは業界トップクラスにいる。
福利厚生制度が超大手企業と同等であることはもちろん、有給休暇の年間平均取得日数は16.0日と高い水準にあり、育児休業制度の女性社員による活用率は100%。日本健康会議が選定する「健康経営優良法人」にも選出され続けているほか、厚生労働省から子育てサポート企業として「くるみん」認定を、仕事と介護の両立を支援する企業として「トモニン」マークを取得している。
また、名古屋オフィスは21~22年にかけて座席や打ち合わせスペースを追加したオフィスリノベーションを実施し、大阪本社はリモート会議用の個室ブースの設置をはじめ、新しい働き方を踏まえたオフィスリノベーションを継続中だ。