働きやすさに加え、働きがいを充実させることにもJSOLは注力している。クライアントの成長や社会課題の解決を実現させることを通じて大きな充実感や達成感を得られるのはITサービスの特色なのだが、そこを社員になかなか実感させられない企業が少なくない。だがJSOLは、以前から働きがいの向上を重視しており、今回も中期経営計画に盛り込んでいる。
社員のスキル向上への支援も手厚い。カフェテリアポイント制度(自己研鑽ポイント付与:年間15万円相当)や技能資格報奨金制度によって情報系資格の保有数も多い。
「人財の成長こそが企業の成長であるという考え方がJSOLにはあります。お客さまのニーズやテクノロジーの変化は激しいので、企業だけでなく人もスキルをアップさせて変化していかなければなりません。そこをしっかりサポートしていくことは経営の大きなテーマです」
そう語る永井社長が、JSOLの人財への取り組みにおいて特に強調するのはダイバーシティ(多様性)の強化だ。
「社会も技術も急速に変化している中で当社が的確な提案を迅速に打ち出して実現させるには、かつてのように画一的に人財を募って育てるやり方は通用しません。私自身、前職(NTTデータグループ)時代にベトナムの税関システムを更新するプロジェクトを担当して苦労した際、多様性の大切さを強く実感しています。制度や文化の違いをなんとか乗り切れたのは、ベトナムの考え方も日本の考え方も認めた上で、一つの目標に向かって協力することができたからでした」
同社はすでに18年度にダイバーシティ推進室を設けるなどの取り組みを進めており、新卒はじめキャリア採用、外国籍の社員採用などさまざまなバックグラウンドを持つ人たちを採用し、フルタイムはもとより、時短勤務制度を利用した勤務形態など、多様な働き方を取り入れている。外部からの評価も確立しつつある。女性活躍推進法に基づく「えるぼし」認定制度で二つ星を得たり、性的マイノリティーの人々の働きやすさの目安であるPRIDE指標で最高ランクのゴールドに認定されたりしているのだ。