「経営管理データ統合基盤CCH Tagetikは同一プラットフォームで予算・連結・明細管理までをカバーするため、非財務情報を含めたグループ経営管理基盤として活用いただけます。高い柔軟性と拡張性を持っているのが特徴で、アナリティカルワークスペース(AW)領域では大量の明細データを取り扱える特長を活かしながら、さまざまなニーズに対応します。
箕輪久美子氏
またあらゆるシステムからオープンにデータ収集するため、例えば本社・子会社で勘定科目体系が異なっていても自動的にデータ形式を組み替えて取り込みます。エクセルやWebからの入力も可能で、予算管理・連結管理、経営ダッシュボードなどの分析・レポート機能も備えています」(箕輪氏)
ある国内大手グローバル製造業では、データを用いた客観的判断が経営判断の主軸となる「新管理連結制度」の実現のためCCH Tagetikを導入した。制度連結には制度会計に強みを持つSTRAVISを採用し、業務・運用の効率化を図っている。当事例のソリューション構成とポイントは下図の通りだ。
2年連続でCCH TagetikのNo.1パートナーに選ばれた株式会社電通国際情報サービス(ISID)において、プロジェクトマネージャーを務める山本光二郎氏が、CCH Tagetik導入に関して解説を加えた。
「この事例で特にお伝えしたいのは、グループ全体の連結、1つ下のレイヤーの事業連結、さらに1つ下にある各社各部門の最小粒度データまで、整合のとれたデータのつながりが実現できている点です。ERPからのデータ連携およびパッケージへの手入力により、仕訳データや残高試算表といった最小粒度の明細データをつくります。
山本光二郎氏
CCH Tagetikの中には会社、部門といった組織の階層構造ができていて、この階層に沿って各組織の明細データを積み上げながら連結数値を作成しています。『明細からデータを集約していく』とは言葉にすると簡単ですが、他社システムでは難しい、CCH Tagetikならではの強みです」(山本氏)
最後に山本氏はこうまとめた。
「当事例では、現状の課題解決を通じ、今後のシステム基盤となる国際財務報告基準(IFRS)導入および業務・経営管理システム整備を行いました。これによりデータの一元管理が実現され、標準機能をフル活用していくことで、業務の効率化とガバナンス強化、データの活用が進みました。システム活用が定着してくると、データに基づく経営判断とアクションが行われ、最終的なゴールであった新管理連結制度が実現されていきました。
さらにデータ利活用を成熟させていくことで、事業や組織、人の成長を支援するシステムになっていくことを目指しています。拡張性の高さも特徴で、業務が高度化していく各ステージに合わせて業務要件を吸収・実現していくポテンシャルを持っています。弊社はITプロフェッショナルとして、CCH Tagetikによりシステム面から業務の高度化、そして事業、組織、人の成長を支援してまいります」(山本氏)
財務情報だけでは対応できない。CFOが使いこなすべき新たな時代の「経営管理基盤」
引き続き行われたパネルディスカッションでも小口氏は、各界識者たちと「VUCAの時代に対応するCFOのあり方と経営管理基盤の高度化」のテーマのもと議論した。