米国経済は堅調な地歩に立ち、失業率も超低水準にある。その一方で、自動車ローンの支払いを延滞する米国人の数は増えている。  ムーディーズ・アナリティックスの分析によると、信用スコアの低い層が支払っている自動車ローンのうち、30日以上延滞している割合が昨年末時点で約9.3%に達し、2010年以降で最も高い水準となった。  ここ2、3年、消費者にとっては異例なほど恵まれた状況が続き、新型コロナウイルス流行下で余剰資金をため込んだ。だが急激なインフレで、その恩恵が食いつぶされている。特に自動車の価格は、車両不足のために跳ね上がった。