第3回:グローバルビジネスの成功を支える「禅」の心

駒澤大学の起源は仏教と禅にある。駒澤大学で学んだ人材は“駒澤人”としてのアイデンティティを持ち、グローバル社会でしなやかに活躍する。駒澤大学の“今”を紹介する第3回。海外事業を展開するヒロセ電機の“駒澤人”石井和徳社長と各務(かがみ)洋子学長が、グローバルビジネスの根底にある“禅”の在り方について語り合った。

第3回:グローバルビジネスの成功を支える「禅」の心 (右)ヒロセ電機 石井和徳 代表取締役社長
1960年生まれ。新潟県出身。82年駒澤大学法学部卒業。同年ヒロセ電機入社。2007年に技術本部・副本部長として技術マーケティングを担当。09年に執行役員、10年に取締役・経営革新推進室長、11年に専務取締役・営業本部長。主に「営業、マーケティング、経営」業務を経験。12年6月より現職。

(左)駒澤大学 各務洋子 学長
東京都出身。米アリゾナ州立大学サンダーバード国際経営大学院修士課程修了後に米国の民間企業でコンサルティング業務に従事。その後、国際基督教大学大学院行政学研究科博士後期課程修了。駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部設置準備室長、同学部教授、同学部長、学長補佐などを経て、2021年4月に駒澤大学初の女性学長に就任。

 石井和徳社長は1982年に駒澤大学法学部を卒業、同年ヒロセ電機に入社した。

「私は当時の典型的な学生で、毎日通学していたものの、授業に出るのはテスト前くらい(笑)。サークル活動とアルバイトで忙しい日々を過ごしていました。授業で坐禅もあり、“警策(きょうさく)”で肩をたたかれると痛いな、くらいの感覚しか当時はなかったのですが、己(おのれ)に向かい合う心の在り方は、社会に出てから大切だと思うようになりました」

 ヒロセ電機には、「英知をつなげる小さな会社」という企業理念の下、「能力×熱意×考え方=成果」に代表される「考動の軸=ヒロセフィロソフィ」がある。石井社長がその中で特に重視しているのが「考え方」。その「考え方」の根底に、知らず知らずのうちに、駒澤大学で学んだ仏教や禅の精神があると考えている。

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