田澤 広貴(たざわ こうき)/税理士。いちよう相続・税務サポート代表。不動産専門税理士事務所にて、相続税申告や不動産オーナーの税務業務に従事。現在は相続税・不動産に関する税務を中心に、幅広い相談に対応している。複雑になりやすい相続・不動産の税務をわかりやすく整理し、依頼者にとって納得感のある提案を心がけている。田澤税理士:寝食を共にしているか、郵便物や光熱費の実態はどうか、近隣が同居の事実を認識しているかといった点が調査対象になります。「形だけの同居」は否認されるリスクがあります。
また、本件のような場合に特例を適用するためには、相続した土地を相続税の申告期限まで引き続き保有し、居住し続けることが要件です。途中で売却したり、被相続人の自宅以外に転居してしまったりすると、特例が使えなくなる可能性があります。
なお、亡くなった人に配偶者や同居していた親族がいない場合に限り、いわゆる「家なき子」として特例を適用できる場合があります。
要件はいくつかありますが、ざっくり言うと、相続開始前3年間に自分や配偶者などの持ち家に住んでいない方が対象となる制度です。今回のケースでは、健一さんは持ち家に居住しており、いわゆる「家なき子」としての適用は難しい前提であり、「同居」によって特例適用を目指すのが現実的な対応策でした。
小規模宅地等の特例は、正しく活用すれば大きな金額の節税を実現できる強力な制度です。しかし適用要件は細かく、特例の適用によって相続税が0円になるとしても申告書の提出は必須です。生前から対策を進めるためにも、まずは親子そろって税理士に相談されることをおすすめします。
※プライバシー保護のため、
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