悩むビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

「夫が亡くなれば、遺族年金が入る。それがあれば何とか暮らしていける」。こう信じている妻は少なくありません。ところが、実際に夫を亡くして年金事務所へ出向いた際、想定していた金額より大幅に少ない金額を告げられ、言葉を失うケースが後を絶たないことをご存じでしょうか。本記事では実例を基に、知っておきたい支給要件について、社会保険労務士でもあるOne Asia法律事務所の古田雄哉弁護士に詳しく聞きました。(執筆/ライター 岩田いく実、監修/One Asia法律事務所 古田雄哉弁護士)

夫の死後に判明した
遺族年金の「信じられない額」

 関西在住の山田和子さん(仮名・70歳)は、夫を亡くした翌月に遺族年金の支給に向けて年金事務所へ手続きに出向きました。しかし、後日担当の職員に窓口でこう告げられたのです。

「『山田さんの場合、遺族厚生年金はほとんど支給されません』と言われたんです。頭が真っ白になりました」

 夫婦ともに会社員として長年働いてきた山田さん夫婦。65歳以降は、夫婦の年金を合わせて月30万円を受け取っていました。和子さんたちにとっては穏やかに普通に暮らせる額です。

「どちらかが先に亡くなったとき、遺族年金があるから大丈夫と思っていました」

 しかし「遺族年金は夫がもらっていた分の4分の3が、自分の年金に丸々上乗せされるもの」――そう信じていた和子さんに、夫の死後に告げられた現実はまったく違いました。