写真:シニア男性写真はイメージです Photo:PIXTA

相続税対策を始めるきっかけが、ふとした家族の会話であるケースは少なくありません。父の相続を心配した息子が生命保険証券を確認したところ、「このままでは対策にならない」事実が判明しました。しかし、受取人を変更するだけで、保険金1000万円が丸ごと非課税となり、生命保険が本来の「相続税対策の武器」として機能。結果、相続税の負担はゼロとなる試算になった事例を紹介します。(執筆/ライター 岩田いく実、監修/いちよう相続・税務サポート 田澤広貴税理士)

息子の一言をきっかけに
生命保険契約を確認

 相続税対策に生命保険金を活用したい――そう思っている方は多いですが、結婚前や子が生まれる前に加入していた場合は、相続税対策には「実は有効ではない状態」になっているおそれがあります。

 静岡県の実家に暮らす鈴木春治さん(仮名・70代)は、田畑や小さなテナントビルを持つ資産家です。「相続税は発生するだろうが、昔入った生命保険が出るから大丈夫だ」と現在都内に暮らす、息子の礼二さん(仮名・55歳)に話していました。

 春治さんが差し出した保険証券を礼二さんが手に取ると、死亡保険金額は1000万円との表示。しかし礼二さんはその保険証券を見て不安がよぎりました。春治さんは礼二さんに指摘されるまで、生命保険を契約した本当の理由をすっかり忘れていたのです。