そうした国内線の苦境が表面化したのが、国土交通省の有識者会議にて25年、「助成金などがなければ実質利益なし」などとJALやANAが訴えた報告だ。第3極の存在であるスカイマークも、「国内線は利益なき繁忙という課題に直面している」などと意見した。
各社は、空港における手荷物の詰め込み業務を共通化するなど、国内線のコスト改善につなげる策を模索してきた。そうした中、未曽有の原油高・調達不安が起きたことで、国内線にもサーチャージを導入する動きが加速したといえるだろう。
海外エアラインのほうが危機的!?
JALやANAには「欧州特需」も発生
ここで、海外エアラインの近況について見ていこう。
まず、エミレーツ航空やカタール航空といった中東のエアラインは、未だ多くの路線で運航が制限・調整されている。欧米や中国勢は、例えば米ユナイテッド航空や中国国際航空などが運賃やサーチャージの値上げに踏み切っている。
さらに、航空業界自体が存亡の危機にあるケースも。特に深刻なのが韓国だ。国土が狭いため国内線市場が小さく、さらにLCCの乱立で過当競争になっていたところに、燃油高が追い打ちをかけた。大韓航空をはじめ複数社が「非常経営体制」に移行し、減便やあらゆるコストカット策を実施している。例えばLCCのエアロKは8月にソウル~大阪、茨城線を運休するなど日本路線にも影響が出ている。
他には、タイ国際航空やフィリピンエアアジアでも日本路線を含めた運休が
また、例えばイタリアでは燃油供給を一時的に制限するなど、燃油不足や高騰が原因で「飛べない」事態が相次いでいる。
一方で、欧州とアジア・豪州を結び中東を中継地点とする中東勢の便が激減したことで、東アジアや東南アジアの航空会社には「欧州線の特需」も発生している。例えばJALは、成田〜ロンドンの臨時路線を設けたほどだ。
JALもANAも国際線サーチャージ
引き上げ発表が“急”で大慌ての人も
こうして海外勢と比較すると、国際線における欧州特需、円安進行による訪日特需もある日本勢は一定程度恵まれている状況にあるともいえる。



