株式投資において、成長性以上に重要なのが「財務の健全性」です。どんなに画期的なビジネスでも、資金繰りが悪化すればあっという間に倒産リスクに直面します。では、安全な企業をどう見分ければよいのでしょうか? 実は、決算書の“ある項目”を見るだけで、企業の防御力や寿命が簡単に分かります。個人投資家・たーちゃん著『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』をベースに、投資先を見極める「最強の指標」を公開します。

【株式投資の基本】決算書で確認すべき“最強の指標”・ナンバー1Photo: Adobe Stock

決算書で確認すべき“最強の指標”とは?

株式投資において、成長性や利益と同じくらい重要なのが「財務の健全性」です。

どんなに画期的なビジネスを展開していても、資金繰りが悪化すれば企業はあっという間に倒産リスクに直面します。では、安全な企業を見分けるにはどうすればよいのでしょうか?

家計に置き換えると見えてくる「企業の台所事情」

難しく感じがちな企業財務ですが、実は私たち個人の家計と同じように考えると非常にシンプルです。

個人の生活でいうと、「預貯金をたくさん持っていて、家は賃貸で借金はない」のと「預貯金はないけれど、目いっぱいローンで借り入れて豪邸を建てた」というのでは、前者のほうが財務状況が健全だ。それは企業も同じで、資産が多く負債が少ないほど、健全な経営をしていることになる。逆に資産に対して借入金が多い企業は要注意だ。
――たーちゃん著『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』より

見た目の売上高が大きくても、裏で多額の借金(負債)を抱えていれば、少しの景気後退で経営が傾きかねません。

投資先を選ぶ際は、表面的な見栄えに惑わされず、「借金と資産のバランス」を確認することが基本中の基本となります。

決算短信の「貸借対照表」はここだけ見ればOK

では、具体的に企業のどこを見れば財務の健全性がわかるのでしょうか?

すべての数字を読み解く必要はありません。決算短信の「貸借対照表(バランスシート)」から、以下の項目だけを抜き出してみてください。

そこでさっきいったように決算短信の貸借対照表では、「現金及び預金」「投資有価証券」「(短期・長期)借入金」をチェックする。企業の現預金と有価証券から有利子負債(借入金)を差し引いた金額が、どれくらいあるかを確認するのだ。この「現預金+有価証券-有利子負債」のことを「ネットキャッシュ」と呼ぶ。これはつまり「手元にどれだけお金があるか」を示すものであり、財務の健全性を示す指標となるんだ。
――たーちゃん著『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』より

すぐに自由に使えるお金(現預金・有価証券)から、利子をつけて返さなければならない借金(有利子負債)を引き算するだけです。

この「ネットキャッシュ」が潤沢な企業は、不況や予期せぬショックにも耐えられる「防御力」が高いと言えます。

赤字企業でも慌てない「寿命」の測り方

さらに、このネットキャッシュの考え方は、一時的に業績が悪化している企業を分析する際にも大いに役立ちます。

資産バリュー株で赤字決算の場合、「ネットキャッシュがあと何年で枯渇するか」もチェックしておいたほうがいい。
――たーちゃん著『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』より

現在の資産価値に対して株価が割安な「資産バリュー株」であっても、赤字が続けば手元資金は確実に減っていきます。

「現在の赤字ペースだと、あと何年で手元資金が底を突くか」を計算することで、企業が経営再建するまでのタイムリミットを冷静に見極めることができるのです。

銘柄選びに迷ったら、まずはこの「ネットキャッシュ」を確認し、企業の本当の強さを測る習慣をつけてみてはいかがでしょうか。