◆割安株が秘める一つの“大きな魅力”とは?
働きながら株で資産50億円を築いた“本当に儲かる3つの投資術”を初公開――余命宣告を受けた医師 兼 個人投資家の父が愛娘に捧げる著書『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)。4度の手術を経て、49歳で肺と肝臓へのがん転移が判明。主治医からは「50歳は迎えられても51歳はわからない」と宣告された著者が、働きながら50万円を50億円に増やした投資法を愛娘に向けて全力指南。再現性の高い3つの投資法をマスターすれば、忙しく働きながらも「一生困らないお金」を稼げるようになる。「人生の集大成として、出し惜しみ無しで、魂を込めて書きました」(著者より)。
※本稿は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【働きながら株で50億円】一気に儲かる可能性を秘める…割安に放置されている株に隠された「起爆剤」とは?Photo: Adobe Stock

資産バリュー株に隠された
「TOB(株式公開買い付け)」という起爆剤

株式投資において、「資産バリュー株(企業の持つ資産に対して株価が割安な銘柄)」には、単に市場からの見直しを待つだけではない、もう一つの大きな魅力(そして難しさ)が隠されています。

それは、企業買収を通じた株価の急騰です。

割安な企業は「同業他社」からも狙われる

資産バリュー株は投資家から見て「割安」と思われているくらいだから、同業他社から見てもやはり割安だと思われているのです。そこで起こりやすいのが、TOB(株式公開買い付け)です。

「新しく設備投資するくらいなら、すでにノウハウがある企業を丸ごと買ってしまったほうが早い」と考える企業が、資産バリューの高い株を大量に取得するため、プレミアム(上乗せ価格)をつけて公開して買い付けするわけです。これにより、保有していた株の価格が一気に跳ね上がる恩恵を受けることができます。

社会課題がTOBの引き金になる
物流業界の事例

実際に、社会の大きな変化がTOBの引き金になったわかりやすい例があります。

2024年は、ドライバーの残業規制で運送の担い手が不足する「物流の2024年問題」が懸念されました。そのため、「倉庫」の需要が高まると見られて、倉庫会社の株がけっこう狙われたのです。

法律によってドライバーの長時間労働が規制され、長距離運転が難しくなったため、運送会社は必然的に物資を保管する倉庫が必要になったからです。そうして、アルプス物流(2024年上場廃止)、C&Fロジホールディングス(2024年上場廃止)といった倉庫会社が相次いでTOBの標的になりました。

TOBを先回りして予測することの難しさ

このような事例を聞くと、「次にTOBされそうな割安株をあらかじめ買っておけば大儲けできるのでは!?」と考えるかもしれません。ただし、個人投資家がTOBやMBO(経営陣による買収)を予測して、前もってピンポイントで狙い撃ちすることは非常に難しいのが現実です。

なぜなら、日々のニュースから変化しそうな業界に注目し、業界が抱える問題点を把握して、できれば働いている人にも接点を持ち、株主総会などIR(投資家向け広報)の知見や法務の知識も織り交ぜながら多角的に考えていく必要があるからです。単に「割安だから買収されるだろう」という単純な推測だけでは太刀打ちできません。

「企業戦略の分析」を楽しめるかどうかが鍵

私の知り合いのベテラン投資家にTOB関連の銘柄を得意にしている人もいるけれど、その人は企業の法務部出身です。やはり専門家の見る目は、一般的な投資家のものとはまったく違います。

初心者がいきなりTOBだけを狙うのはリスクが高いですが、投資の経験を積んでいく中で、企業分析を深めることは大きな武器になります。皆さんもいずれ「企業戦略を予測して狙っていくことが楽しい」と思えるくらいになれば、そんなハイレベルな視点での銘柄選びにチャレンジしていくといいでしょう。

※本稿は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。