人事評価にも「ニオイ」の項目を取り込む
愛煙家の社長自らが乗り出すオンデーズの挑戦
社員の「ニオイ対策」に力を入れている企業は、他にもある。メガネの製造・販売を手がけるオンデーズ(本社=東京都港区)では、人事評価の基準にもなる社内の服装規定にニオイの項目を設けるという策を講じ、社員の意識向上を図っている。
同社が社員のニオイに関心をもったのは、お客様相談窓口に「店舗スタッフのタバコのニオイが気になる」という意見が届いたことがきっかけ。店舗では、販売するメガネを調整するためにお客の顔に近づくことがあるため清潔感には気を使っていたが、このクレームをきっかけに、再度接客の際に不快に思われるニオイをリストアップしてスタッフに注意を呼びかけた。
人事評価に「ニオイ」の項目を取り込んだオンデーズと、フロアスタッフ検定認定バッジ
また、クレームの対象となったタバコに関しては、営業時間中の禁煙を店舗だけではなく本社のスタッフにも指示。「休憩時間中まで禁煙を指示されるのは……」という声も上がったが、一日数箱のタバコを吸うヘビースモーカーの社長自らが禁煙を実行して模範を示した。
さらに、人事評価の基準にもなる社内の服装規定に「ニオイ」の項目を設けるという徹底ぶり。服装やアクセサリー、靴、ヒゲ、爪などの身だしなみを定めた規定に「ニオイ」を追加し、「香水はNG(制汗剤はOK)」「汗をかいたら、汗ふきシートなどを活用する」「昼食後は歯磨きをする」など、具体的なニオイ対策まで指示している。
この服装規定は新入社員研修のときに徹底して覚えさせるほか、同社が実施している「フロアスタッフ検定」のペーパーテストにも出題される。
規定には盛り込んでいないが、「店舗にはファブリーズを常備する」「ミンティアやフリスクを常備し、快適な息を心がける」「出勤の前日や当日のランチには、ニンニクのメニューを食べない」などの対策も指示しているという。