日本の魅力をアピールし、
コンベンションを誘致

 日本を訪れるのは、観光目的の外国人ばかりではない。国際会議や博覧会、見本市などへの参加で来日する外国人のもてなしにも、古くからJTBグループは注力してきた。インバウンドのプロフェッショナルであるJTBGMTと、各種コンベンションの運営を専門に手掛けるICSコンベンションデザインが連携。グループ内で協力しながら、誘致から当日の運営にまで関わってきた。

田代直子
ICSコンベンションデザイン 企画総務部営業企画室長

 国際的なビッグイベントでは国家間で誘致合戦が繰り広げられる。日本で開催する意味を訴えるために地方自治体も含め、関係各所と詰めて膨大な資料を作成。そして世界を股に掛け、何年もの長いスパンで日本の魅力や利点を海外に説く。国の代表として、JTBグループは日本のPRに励んでいるのだ。

 14年7月に横浜市で開催された「WCS(世界社会学会議)2014」もその一例で、95ヵ国から約6000人が出席した。ICSコンベンションデザイン企画総務部の田代直子営業企画室長はこう振り返る。

「そのうちの約5000人は海外からで、家族同伴のお客さまも少なくありませんでした。68の会場で1週間にわたって会議が開催されましたが、常に私たちに求められていたのはグローバルスタンダードの対応です」

JTBGMT営業企画部の黒田秀之営業企画担当部長も補足する。

「準備期間中のお手伝いはもちろん、最も肝心なのは開催の当日。空港到着時の出迎えから宿泊のケア、移動手段の確保、同伴家族のオプショナルツアーの手配まで全てを担当します。洞爺湖サミットや日本APECにも携わってきましたが、要人が出席する場合はさらに警護面にも万全の配慮が必要です」

 個別の観光客のもてなしにコンベンションへの取り組み、どちらと対峙する際にもJTBグループの面々が胸に秘めるのは、「日本の魅力を世界に発信していきたい」との熱い思いだろう。

 

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