(3)金融機関とのつきあい方を知っておく

 鉄則のひとつ目で「高い手数料のものは買ってはいけない」と書いた。投資をする側はコストの低いものを選ぶべきだが、販売する側は高い手数料のものを売りたい。なぜなら彼らの収益源は手数料だからだ。

 つまり、投資家と販売する金融機関は利益相反の関係なのだ。それをわかっていると、銀行や証券会社に自ら出向いて行き「自分に合った商品を選んでほしい」と言えるはずがないのだが…。

 銀行や証券会社で商品を選んでもらって勧められるままに投資デビューをして、お金を減らしてしまった人は「高い手数料のものは買ってはいけない」という鉄則を知らないからだ。

 数年前に福井県で講演をしたときのこと。北陸地方は昔から貯蓄が美徳の地域性に加え、福井県は共働き率全国1位のため、他県に比べお金を持っている人が多い。セミナー参加者は100人ほどで、そのうち資産運用経験者は80%くらいと高い割合だった。50代で数千万円持っている人も少なくない。

 「高い手数料のものを買ってはいけない」という話をした後に「このこと知っていましたか」と参加者に尋ねてみると、知っていたと手を挙げたのはわずか十数人だった。セミナー終了後に「なぜ、ソンをしていたのかわかった。ちょうど手数料分だった」と価格推移をまとめた集計用紙を抱えた参加者が声をかけてきた。株価が高くなっても手数料以上に上がらないと、自分のお金は増えないのである。

 投資をはじめる前に本の1冊でも読んでいれば、高い手数料のものは避けるべきだと知ることができる。一般の人は金融機関、特に銀行を信頼し過ぎている。「銀行なら悪いようにはしないはず」と思っている人が多いが、そんな期待は持ってはいけない。

 銀行にとって投資信託や保険商品は、販売して手数料を稼ぐものなのだ。彼らが作って運用しているわけではないことも併せて覚えておこう。投資をするなら、売り手に商品を選んでもらうのは厳禁。金融機関は「相談する」ところではなく、「利用する」ところだと考えておくといい。

 次回も引き続き、40~50代向けの投資について書いてみたい。

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