「手取り収入」は13年間で約9%も減っている!

 まずは、下のグラフを見ていただきたい。

※40歳以上で専業主婦の妻と15歳以下の子どもが2人いる会社員の例。健康保険は協会けんぽ加入として試算

 これは、「額面年収800万円、専業主婦の妻と15歳以下の子ども2人」の会社員について、2002年からの手取り年収の推移を表したものだ。手取り年収とは、勤務先が支払う額面の給料から所得税・住民税と社会保険料を差し引いた金額のことである。

 手取り年収は一部の年を除き下がり続けているので、グラフは見事に「右肩下がり」となっている。例に挙げた年収800万円のケースだと、2002年に662万円あった手取り額が、今年は603万円になる。13年間で約9%、金額では59万円も「使えるお金」が減っているのだ。

 読者のみなさんは「なぜ2002年からの13年間の推移なのだろう」と疑問に思うかもしれない。きっかけは、2003年にボーナスからも毎月の給料と同じ料率で社会保険料が引かれるようになったこと。40代以上の人なら、ボーナスの手取り額がグンと減ることになったのを覚えている人も多いだろう。筆者はこの改正が実施されたとき「手取り収入はこれからも下がり続けるかも」と思い、それから毎年、年収・属性ごとに手取り額を計算し、推移を見ることを続けている。