手足の水泡とガサガサ
鎖骨の激痛に悩むOさん(52歳)

フローリングに足の皮膚の破片
そして、鎖骨に激痛が走る

 広告代理店の管理職をしているOさんが自分のてのひらと足のかかとに、赤い「ぼつぼつ」を見つけたのは今から10年くらい前の冬だった。

 「ぼつぼつ」と繰り返しできる水疱。加えてかかとの頑固なひび割れも。ひび割れた皮膚が、うろこのように落ちて、茶色のフローリングの床を汚す。見つけた妻や娘から「お父さん汚い」と言われるが、靴下を履く以外に方法はない。

 かかと用の保湿クリームを塗ったり、やすりで削ったりしてみたが、かかとのひび割れは一向に改善しない。深いひびには、血がにじむこともあった。最初は、冬の乾燥と加齢によるものと思っていたが、春になってもかゆい水疱とかかとのひび割れは治らず、序々に症状は悪化して数年が過ぎていた。

 学生時代にゴルフ部に在籍していたOさんは、ゴルフだけが唯一の趣味だった。学生時代から神宮球場横のゴルフ練習場通いをずっと続けていた。平日どんなに仕事で嫌なことがあっても、思いっきりクラブを振っているとリセットできる気がした。

 週末のある日、新しいドライバーを手にして素振りをしたとき、鎖骨に激痛が走った。経験をしたことのない痛みにうめき声が出た。翌日、会社を休んで整形外科を訪れたOさんは、医師から「レントゲンでは異常ありません。シップと鎮痛剤を出しますから様子をみましょう」と告げられた。

耐えがたい痛みから不眠に
検査するも「異常なし」ばかり

 数週間後、Oさんは耐えがたい痛みから夜も眠れなくなってしまった。痛みは鎖骨から肋骨にひろがり、腕もあげられないところまできていた。シャンプーも自分ではできないので、バスルームで妻に洗ってもらった。そんな自分が情けなかった。

 大学病院の整形外科やペインクリニックで、精密検査を繰り返し、原因を探った。しかし、医師から告げられる言葉はいつも「異常なし」。