子に追いつかれないよう、
親としての努力を

 しかし、無理もないのです。
 お姉ちゃんは、下に弟ができたことを早く知り、すでに自分の置かれた立場を理解しているのです。

「どうも、カヨ子ばあばは、いままでとなにか違ったことを教え始めた」
 と勘づき、いつもの「こんにちは~」という愛くるしさを私に見せなくなり、
今日は、なにを教えてくれるんだ」といった顔でにらみつけてきました。

 その表情は、同年代の子と大きくかけ離れた、大人びたものでした。
 そう言えば、いつのまにか、声を立てて泣くこともなくなりました。
 もうすぐ、親のほうに足りない部分が出てきます。

親は、この子に追いつかれないよう、親としての努力を重ねなければなりません。

 最近、気に入らないことがあると、この子がお姉ちゃんになった記念に私があげた人形(名前は“カヨ子”)を、「カヨ子のバカ~!」と天井に放り投げるそうです(笑)。

 彼女は、その人形と私への思いが入り混じって、自分の気持ちを処理できないのです。

 このとき、どのような心理だったか、きっと彼女なりの表現で訴えたのでしょう。どんな場合でも、記憶能力の高い子は知育するのに有利です。

 これからさらに高いレベルの、広範囲な脳トレをしなくてはと、決意を新たにしているところです。