不良債権が膨れ上がったことで経営危機を招き、3兆円を超える公的資金の注入を受けて“実質国有化”されたりそなホールディングスは「公的資金の返済ができず、いずれ破綻するだろう」と銀行関係者の間でもささやかれていた。りそなグループの前身は大和銀行とあさひ銀行で、いずれも都市銀行の下位に甘んじており、それだけに体力以上の無理を重ね、財務内容を悪化させていた。 実質国有化と同時に、りそなホールディングス会長に就任した細谷英二氏は旧国鉄で改革を推進した一人だが、金融業界は未経験。周囲が反対する中、不退転の決意を固め火中の栗を拾う道を選んだ。素人の目、一般の利用者の目で、銀行のおかしな実態、内輪の論理にメスを入れ、銀行界の横並び意識、内向きの体質に切り込んでいく。 細谷氏は病魔に襲われ、道半ばで斃れた。だが、「細谷改革のDNA」はりそなグループに根付き、銀行業界、金融界初のサービスを次々と開発し、業務改革、新サービスの導入など、チャレンジを続けている。 IT企業、ネット企業の金融ビジネスへの参入が相次いでいるが、りそなグループは何を目指しているのか。細谷氏の下で財務改革の陣頭指揮を執り、細谷イズムを身近で体験してきた東和浩氏を直撃し、りそな改革の全容、金融ビジネスの展望について聞いた。
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金融サービス業への転換【前編】
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