ひろゆきが呆れる「子どもから絶対に奪ってはいけないもの」ワースト1ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
著書『1%の努力』では、自身の「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語ったが、この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

大人になるにつれて持つもの

 考えが尖っていた人も、年齢を重ねると、丸くなっていきます。

 子どもの頃は「つまらないな」と思っているものも、年を取れば、良さに気づきます。

 たとえば、植物。子どもの頃に植物園に連れてこられても、何も感じないはずです。それよりも動物園や遊園地に行ったほうが楽しいですよね。家に花が飾ってあっても、おそらく何も感じなかったはずです。

 映画や美術、建物でも、子どもの頃の視点と大人になってからの視点は異なります。

 これを決定づけるのは、「経験」の有無なんですよね。

事実しか見れない子どもたち

 子どもには、「経験」が足りません。大人は、目の前で起こることを「経験」による記憶と結びつけて「意味」を感じることができます。

 しかし、子どもは「経験」がないから「事実のまま」で受け取ります。

 だから、「植物は動かない」「動物は動く」「花はつまらない」「遊具は楽しい」という、目の前の事実だけでしか楽しむことができないんですよね。

 子どもの頃は虫を殺したり、動物をいじめたりしていたかもしれません。しかし、大人になるにつれて、それもできなくなります。

 なぜなら、多くの人の生き死にやペットとの体験など、「経験」が積み重なるからです。目の前にいる虫と「他の人の人生」や「自分の命」が重なって感じられるんですよね。それを「共感」と言います。

子どもには「経験」を与える

 子どもに身につけさせるべきもの。それは、「経験」を積ませて「共感」ができる大人にさせることです。

 たとえば、紛争地であれば、大人の兵隊より少年兵のほうが残酷に人を殺せると言います。それは、先ほどのように「共感」に至るまでの「経験」が積まれていないからです。

 逆に、大人は、相手と目が合ったり話をすることができると、その人に向かって銃を撃つことはできなくなります。

 ということで、子育てでやっておいたほうがいいことは、「経験」を積ませることです。無気力でやる気がないと言っても、少しでも興味を持ったことはやらせてみたり、それにお金を使うことです。まあ、我慢は我慢で必要なので、そのさじ加減こそが教育の醍醐味なのかもしませんけどね。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、38万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。