ひろゆきが考える「頭のいい子どもに育てる方法」ベスト1ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
29万部の大ヒットを記録しているベストセラー1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

教育に「お金」をかけるベストタイミング

 子どもの頭の良さは、遺伝や環境で90%くらいが決まると言われています。では、何もしなくて放ったらかしでいいかというと、元から頭のいい子は放ったらかしでOKです。そして、そうではない子であれば、「環境」が大事なのですから、できる限りのことはやったほうがマシです。

 教育にお金をかけるタイミングは、大きく2回あります。1つは「大学受験の前」、もうひとつは「5歳まで」です。順番に説明していきましょう。

「大学受験前」はどうにかせよ

 塾に通わせるかどうか、家庭教師を付けるかどうか。この質問はよく聞かれます。小学校や中学校のときは、そんなに焦らなくてよいかもしれません。

 しかし、大学受験だけは、なんとか乗り切ってもらいたいものです。学歴は、一生付きまといます。しかも、中学や高校ではなく最終学歴の「大学」が超重要です。ここさえ我慢して乗り越えれば、その後の人生はかなり有利になります。

 大学受験に必要な能力は、効率的な「詰め込み」です。理解力とか応用力とか、いろいろな言葉に言い換えられますが、要するに「手っ取り早く詰め込む」ということが問われます。頭のいい人は早く詰め込めるし、頭の悪い人は時間をかけて詰め込めばいい。それだけの話です。

 そして、効率よく詰め込む方法は、プロが教えてくれます。それが予備校の先生とか人気の塾講師のような人たちです。それをフルに活用できるためには、やはりお金が最低限必要になってきます。あとから元を取るためにも、ここのお金は惜しまないほうがよいと思います。

「5歳までの教育」が人生を決める?

 2つ目は「5歳までの教育」なのですが、実はこちらがダントツで重要だと思っています。頭のいい子に育つかどうかは、ここがベストタイミングでしょう。

 なぜなら、いくら大学受験の前に詰め込んだ勉強で突破できたとしても、長くはもたないからです。高学歴なのに、実際に働いてみたらぜんぜんコミュニケーションが取れなかったり、ちょっとした失敗で凹んでしまう人がたまにいます。

 つまり、学力では表せられない能力が、社会に出てからは必要になるわけです。それこそが、5歳までに養われるという「非認知能力」です。

 たとえば、外国の言語が話せなくても、海外旅行で出会った人と楽しくお酒を飲んだりすることができる人がいます。大きな失敗で恥をかいても、バネのように乗り越えてしまう人もいます。

 非認知能力を鍛えるためには、「適切なサポート」が必要です。モンテッソーリ教育の方法が有名ですが、そんな特別な教育を受けさせなくても、親のどちらかが粘り強く付きっ切りで見てあげることでも可能だと思います。子どもが自主的に「遊び」を見つけることを、ちゃんと見守ってあげることがベストです。

 そのためには、子どもが5歳になるまでは、共働きの給料を減らしてでも教育にお金をかけるべきかもしれません。父親か母親のどちらかが子どもを見てあげるような生活スタイルを整えるか、あるいは、私立保育園のような教育を受けさせるのです。ちなみに、パリだと、公立の保育園は年間5万円くらい、私立のモンテッソーリ教育を教えるような保育園は年間260万円がかかります。

 以上、子どものために親が何かをしてあげたいのであれば、この2つのタイミングで考えるようにしてみてください。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、29万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。