現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
38万部を超えるベストセラー『1%の努力』では、彼の「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
親ができることは「これ」だけ
教育上、言っていいことといけないことの線引きは、親は誰しも悩むことでしょう。親のほうが経験が多いぶん、言いたいことがでてきてしまいます。しかし、視野は狭くなっているので、安易にすべてを知ったふうに語ると、あとで痛いしっぺ返しを食らいます。
基本的に、親ができることは「応援」でしかありません。
それも、「お前は何がやりたいんだ?」「将来の夢は何なんだ?」と問い詰めても意味はありません。そう言ってしまうと、今度は自分でそれらを見つけないといけないプレッシャーに押しつぶされてしまいます。しまいには、「生きる意味を持たない自分は、どうせ何をやってもダメなんだ……」と、思い込んでしまいます。
なんでも自由にやらせてみて、「これは自分に向いているかも」というものを自発的に見つけてもらうしかないのです。
子どもにとっての「呪いの言葉」
そんな親子関係で、これを言ってしまうと「呪い」になってしまうものがあります。
それが、「お前はどうせ頑張っても無理だ」「どうせダメだ」という、可能性を潰す言葉です。
たとえプロ野球選手やYouTuberであっても、最初から「どうせ無理」「どうせダメ」と決めつけるのは非常にマズいです。だって、別に本業にならなかったとしても、社会人として野球をする道だってあるし、趣味でYouTubeを続けるのもいいんですから。
それなのに、親に限って、「本業にしないといけない」「夢は1つに絞り込まないといけない」という思い込みをしてしまっています。
その思い込みが、「どうせ無理だ」という言葉に表れてしまうのです。
やってみれば「学ぶ」もの
何事においても、チャレンジしてみて、それで「ダメだな」と学べば、それで十分です。
受験も同じです。レベルの高い高校や大学を言ってきたときに、一度、上を目指して勉強させてあげるかどうか。チャレンジさせてあげれるかどうかで、その子の人生は本当に大きく変わります。
あるいは、間違いや誤解があるのなら、それを正してあげればいいんです。「先生になりたいから超難関大学に行かないといけない」と思っているのなら、「そこまでの大学でなくても先生にはなれるよ」と、夢と現実をつなげてあげるのはありです。
いずれも、やることを与えるのではなく、やりたいことと勉強をつなげるのが大事です。
間違っても、「お前は医者になれ。だから○○大学の医学部を受けるんだ」と、答えを押し付けないことです。
そういうものが見つかるまでは、気長に待ってみてください。別に、やりたいことがなくても「とりあえず食っていこう」という理由で、いい大学やいい就職をする人だってゴマンといます。というか、そのほうが多数派です。
呪いの言葉を言わない我慢をして、待つことに慣れるようにしましょう。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、38万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。