「言語活動」とPBLの
反復が育む深い思考

 この生徒たちの熱量を生み出しているのが、緻密に設計された独自の学習システムだ。同校の中学での学びは、オリジナルの「言語活動」と「PBL(課題解決型学習)」を繰り返す方式を取っている。教育システムを構築してきた野澤清秀教頭は、「いきなり『自由に探究して』と委ねても、生徒は困惑してしまいます。まずは学びの『型』をしっかり身に付けることが重要です」と説明する。

教員が作成した、言語活動のオリジナルテキスト

 同校では独自に作成したテキストを用い、「言語活動」の授業を展開。マインドマップを使ったアイデアの広げ方や、意見のぶつかり合いを解決するアサーションの手法などを学ぶ。ここで論理的な思考や協働の「型」を身に付けた上で、PBLの具体的なプログラムに挑むことで、二つの学びが両輪として機能していくのだ。

図書館機能を備えた4階建ての学びの施設「MUseion(エムユーセイオン)」。各フロアはアルキメデス、ニュートン、ガウス、オイラーと高名な学者名が冠されている

 学んだことのアウトプットの場を本格化させているのも特徴だ。中3では地元のFMラジオ局の放送枠を買い取り、生徒自身がリサーチから番組企画、台本作りを行い、実際に番組を放送する「社会実装」を経験する。「発表の場を『本格的』にすることで、生徒の本気度や熱量が劇的に変わります」(野澤教頭)。

武蔵野大学中学校・高等学校
野澤清秀教頭

 教科学習の強化にも熱が入る。中1・中2の理科では、「Sense of Wonder」と銘打ち、ほぼ全ての単元を実験で進める計画だ。「自ら仮説を立てて検証するプロセスは、まさにPBLそのもの」と原田校長。また、毎朝10分間の朝読書「10MBA」では、教員が厳選した120冊の本の紹介冊子を作成し、生徒の知的好奇心を刺激するなど、多角的なアプローチで学力向上を図っている。