自己棚卸しとメタ認知
未来を開くこころの教育
こうした中学での経験をベースに、高校では自己の興味や関心をさらに深めていく。高1の本科コースで提供しているのは、「LAM講座(Liberal Arts Musashino)」だ。空想地図の作成や哲学対話、ヒューマンビートボックスなど、幅広いプロフェッショナルから直接指導を受ける。さらに高2の「マイビジョンプロジェクト」では、これまでの課題解決の経験を振り返り、自らの価値観を棚卸しする。
「点であったさまざまな経験を線でつなぎ、なぜ自分がそれを選んできたのかを言語化することで、総合型選抜などの自己アピールにも直結していきます」と野澤教頭は自信を見せる。
授業で培われた力は、課外活動でも至るところで花開いている。生徒が有志で出場した、産経新聞社らが主催する「高校生ecoアイデアコンテスト」でグランプリを獲得したほか、LEGO(R)部が日本代表として米国でのロボット競技の世界大会に出場するなど、生徒の自発的なチャレンジが続く。原田校長は「生徒自らが舞台を求めて活躍の場を広げているのは、まさに本校の熱量の表れです」と目を細める。
正解のない課題に取り組む上で、同校が重視しているのが「メタ認知」の習慣だ。生徒の成長を定点観測するため、外部アセスメントの「Ai GROW」を導入し、数値化しにくい行動特性の伸びを可視化。さらに、同校独自の手帳「ムサログ(MUSASHINO LOGBOOK)」を日々の振り返りに活用し、自己を客観視する力を鍛えている。
「生成AIなどの技術が進化し、簡単に答えが手に入る時代だからこそ、得られた情報をどう選び取り、自分の解釈をどう乗せるのかが問われます」と野澤教頭は語る。
「最後に行き着くのは、その人の持つ倫理観です。本校は仏教の宗門校として『こころの教育』を大切にしており、これがこれからの時代に最も重要な土台になります」(野澤教頭)
プロフェッショナルな教員陣による緻密なシステムと、生徒を突き動かす熱量。学力と人間力を育みながら、さらなる高みへと飛躍を続けていく。
