東京女学館 中学校・高等学校
鈴木龍馬進路指導部長

 進路指導部長の鈴木龍馬教諭は、「今後は、英国の大学入学資格でもあり、世界中の大学で認められている国際的な資格である『ケンブリッジ国際Aレベル』の取得を目標とするカリキュラムも、段階的に導入していく予定です」と意気込みを語る。

内面をオープンにする
箱根研修3分間スピーチ

 同校の教育の核を成すのが、生徒が「自らの進みたい道」を主体的に選び取るためのキャリア教育だ。このキャリア教育の一環として位置付けられ、進路意識を確立させる上で大きな転機となるのが、高1の5月に実施される「箱根研修旅行」である。研修では、クラスメートの前で、将来の夢や進路に対する率直な思いを語る「3分間スピーチ」が目玉だ。

 鈴木教諭は、スピーチの意義をこう解説する。「生徒の多くは日頃、自己の内面を包み隠さず話すことに躊躇(ちゅうちょ)しがちですが、日常から離れる箱根の環境が、彼女たちの心を解き放ち、さらに、『どうすれば全員が安心して本音を語り合えるか』を生徒たち自身が真剣に考え、お互いの内面を受け入れる共感的な空間を築き上げます。本心を語る友の姿に触れることで、共感の念は高まり、中には感極まって涙を流す生徒もいるほどです」。研修後には、進路選択や日々の学習に対する生徒たちのモチベーションが劇的に高まることから、教員たちの間では「箱根マジック」と呼ばれているという。

 他にも26年の研修では、紙の地図とコンパスを頼りに山道や湖畔を進むアクティビティー「ぷちアドベンチャー」も実施された。自分の現在地も分からない状況で、仲間と試行錯誤しながらチェックポイントを探して道を切り開く。「山道で進路に迷い、『先生、どっちに行けばいいの?』と頼られても、見守りはするものの、あえて正解は教えません。生徒たちは、仲間と協力し、さまざまな可能性を検証し、多様な方法を見いだしながら自らの足で歩みを進めます。この経験こそが、彼女たちを本当の意味で成長させる。それはまさに、これからの進路選択の縮図でもあります」(鈴木教諭)。