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田中秀征 政権ウォッチ

国民からも早期解散を望む声が…
消費税増税、TPP参加を掲げた菅政権の寿命

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第68回】 2011年1月27日
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 通常国会が開会、菅直人首相の施政方針演説を聴いた。

 内容は今までの発言をパッケージしたもので新味には乏しい。気になったのは、首相の沈痛な面持ち。演説全体が切羽詰った悲鳴のように聞こえた。

 演説で首相は「ムダ使いの排除」も強調したが、これは参院選で示された「増税の前にやることがある」という世論を意識したのだろう。しかし、その具体策は何も提示されず、早口で通り過ぎた。昨年1月の「逆立ちしても鼻血も出ないほどしぼる」という自分の発言は忘れたのだろうか。要するに今回の演説は「ムダ排除はやる気がない」と言っているようなものだ。

“権力維持”に焦る菅首相が掲げた
「財政再建」と「TPP参加」

 首相は年明け以来、前のめり、爪先立って猛然とダッシュを始めた。政治の事情というより個人的事情によるものだろう。どうやって権力の座を維持していくか。それが焦りとなって表出している。

 首相は、「税・社会保障の一体改革」と「TPP参加」の2つの旗をますます高く掲げるようになっている。

 その上、野党がその協議に参加しなければ、それは「逃げている」のであり、「歴史に対する反逆行為」ときつく決めつけている。おそらく、予算委員会審議でも党首討論でもこの強硬姿勢はエスカレートするだろう。

 だが、この脅迫まがいの発言は逆効果になろう。首相はきっと「野党がこんな重要な課題に協力しないと、野党にとって大きなマイナスになる」と思っているのだろうが、世論はそう甘くはない。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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