住宅ローンおすすめ比較[2017年]
2017年1月1日公開(2017年1月1日更新)
ザイ・オンライン編集部

住宅ローンは今や「頭金なし」で借りられる!
諸費用まで借りられるオーバーローンが可能で、
不動産仲介手数料、引越費用までOKの銀行も!

 かつては住宅ローンを借りる際、「頭金2割」が常識だったが、現在は「頭金なし」でも借りられる銀行が増えている。中には、借り入れの際に必要な手数料、登記費用だけでなく引越代といった諸費用まで貸してくれる、「オーバーローン」も認める銀行まで登場しており、手持ち資金がなくても住宅ローンを借りやすい時代になっている。

 頭金は、借り入れする住宅ローン額を抑えるために、ある程度まとまったお金を用意しておく、「マイホーム購入の支度金」と言えるものだ。頭金を用意すれば、借入れ額を抑えて月々の住宅ローン返済額を軽くでき、家計に余裕ができるメリットがある。

 そのため、かつては「頭金は物件価格の約2割を用意すべき」と言われていた。住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)などの銀行・金融機関が、物件価格の約8割までしか住宅ローンを貸さなかったことも大きい。ただし、住宅金融支援機構は2014年、頭金なしでも借りられるように条件を変更したほか、銀行同士の競争が激化したことなどにより、今では借り換えを中心に「頭金なし」が珍しくなくなった。

オーバーローンで、融資手数料だけでなく、
引越費用、不動産仲介手数料まで借りられる

 さらに、最近は物件価格以上に住宅ローンを貸してくれる、「オーバーローン」に対応する銀行も増えている。例えば、住宅ローンを借りる際、物件価格の2%程度の諸費用がかかるケースでは、物件価格が3000万円だと60万円もかかる計算になる。その他、登記費用、引越費用、マンションであれば購入時に修繕積立金を支払う場合もあり、諸費用は合計で100万円を超えることもしばしば。そこで、住宅ローンに併せて、諸費用も借りられる銀行が登場している。

 下表が主な銀行の諸費用への対応だ。

 主な銀行は、住宅ローンで諸費用を借りられるか?
  銀行名 借り入れ可能な諸費用




ARUHI  ○(借り換えにかかる諸費用)
イオン銀行  ○(諸費用<取扱手数料、火災保険料、登記費用、印紙代、不動産仲介手数料、修繕積立金、水道加入負担金、借換時に発生する諸費用>)
じぶん銀行  ○(諸費用は、主に印紙税(売買契約書などに貼付)、登記にかかる登録免許税、司法書士、土地家屋調査士の手数料、住宅ローンお借入れの際に発生する事務手数料、火災保険料、地震保険料、不動産仲介手数料、引越費用など)
新生銀行  ×
住信SBIネット銀行  ○(手数料や諸費用<収入印紙代、登記費用、火災保険料>)
ソニー銀行  ○(取り扱い手数料)
楽天銀行  ○
(新規借入の諸費用)
登記費用、融資事務手数料、火災保険料、金銭消費貸借契約書に貼付する印紙代、不動産仲介手数料。修繕積立一時金、水道負担金、引越費用等の住宅取得に関する諸費用
(借り換えの諸費用)
登記費用、融資事務手数料、現在の借入先の繰上返済手数料・経過利息、新たに加入する火災保険料、金銭消費貸借契約書に貼付する印紙代等の借り換えに関する諸費用



みずほ銀行  ○(火災保険料、保証会社手数料・保証料、仲介手数料、担保関連費用、印紙税、引越費用、修繕積立金、リフォーム費用、付帯工事費用、管理準備金、水道加入金)
三井住友銀行  ×
三菱東京UFJ銀行  ○(借り替えに伴う諸費用<建築会社、不動産会社との提携ローンを除く>)
りそな銀行  ×
信託
銀行
三井住友信託銀行  ○(諸費用<詳しくは窓口に問い合わせ>)
三菱UFJ信託銀行  ×
その
優良住宅ローン  ×
カブドットコム証券  ○(借り替えに伴う諸費用)
参考 フラット35  ×
 ※ 2016年11月調べ、各銀行の主力商品の商品説明書を元に作成。諸費用に関する記載がない場合を「×」と記載しており、銀行によっては諸費用を貸してくれるケースもあるので、詳細は各銀行に問い合わせよう

 上表のように、大まかにいうと、ネット銀行は諸費用も一緒に貸してくれるケースが大半で、大手銀行・信託銀行は諸費用を含めていない銀行が多い。

 では諸費用の中身はどうなっているのだろうか。通常、諸費用を貸してくれる銀行であれば、住宅ローン借入時の手数料、保証料、登記費用、印紙税は含まれている。こうした諸費用は新規借り入れでも借り換えでも発生するので、借り手としてはありがたい。

 中にはそれ以外の諸費用を貸してれる銀行もある。イオン銀行は、手数料、登記費用、印紙代だけでなく、不動産仲介手数料、修繕積立金、水道加入負担金といった、不動産売買に関わる手数料も含めている。じぶん銀行の場合は、土地家屋調査士の手数料引越費用まで借りられるのが特徴だ。

 楽天銀行、みずほ銀行は、建売住宅などを購入した際に自治体に対して支払わなければならない「水道負担金」まで貸してくれる。通常は数万円だが、直径が太い水道管を引いた場合は、数十万円かかることもある。

 また、借り換えの際だけ、諸費用を認めている銀行もある。通常、借り換えはより低い金利に乗り換えるので、総支払額は下がるというメリットがある。ただし、借り換える銀行に支払う諸費用は100万円以上かかることもあり、トータルでは得をするとはいえ、一時的な出費を嫌がって借り換えをしない人がいる。そこで、新規借り入れはダメだが、借り換えのための諸費用については住宅ローンに含めるという対応をとる銀行が多い。ARUHI、三菱東京UFJ銀行、カブドットコム証券などが、こうした対応を取っている。

 ちなみに、諸費用のためのローンを用意している銀行もある。ただし、三菱東京UFJ銀行の諸費用ローン(新規借り入れの人向け)の金利は、4.475%(変動金利、2016年12月現在)と住宅ローン金利に比べるとかなり高め。諸費用が高額になりそうであれば、金利が安い住宅ローンと一緒に借りられる銀行を選ぶのが得策だろう。

 なお、上表には記載していないが、リフォーム資金を住宅ローンと一緒に借りられるという銀行も多い。中古住宅を購入して、同時にリフォーム・リノベーションをする費用も住宅ローンと一緒に借りたいという人はこちらの記事【住宅ローン実質金利ランキング(リフォーム一括)新規借入】を参考にしよう。

借り換えと同時にリフォーム・リノベーションをする費用も借りたいという人は、こちらの記事【住宅ローン実質金利ランキング(リフォーム一括)借り換え】を見て欲しい。

 上表は各銀行の商品説明書を元に作成した。諸費用に関する記載がない場合を「×」と記載しているが、銀行によっては諸費用を貸してくれるケースもあるので、各銀行に問い合わせよう。

フラット35は頭金が1割以上ないと、
金利が0.44%も上昇するので、なるべく用意したい

 頭金なしだけでなく、オーバーローンも当たり前という時代だが、では果たして頭金は必要ないのか。結論から言えば、余裕があれば頭金はあったほうがいいだろう。

 まず頭金があれば、低い金利が適用されることがある。全期間固定金利の「フラット35」の場合、頭金が1割未満(融資率9割超)と1割以上(融資率9割以下)では、金利が違う。下表は2016年12月現在の金利表だが、頭金が1割未満になっただけで、金利が0.44%もアップする(返済期間21年以上35年以下の最多金利で比較)。この金利で、借入額3000万円、35年返済で借りた場合、頭金1割なら総支払額は3554万円となり、頭金なしの場合に比べて329万円もお得になる。頭金の効能は大きい。

 フラット35は、頭金を1割以上用意したほうがお得!(2016年12月)
頭金 最低金利 借入額3000万円、35年返済
での総支払額
頭金1割以上
(融資率9割以下)
1.10% 3554万円
(頭金300万円を用意)
頭金1割未満
(融資率9割超)
1.54% 3883万円
(頭金0円)
※返済期間21年以上35年以下の最低金利で比較

 フラット35は「頭金1割以上」「頭金1割未満」で金利差を設けているので総支払額に大きな差が出た。ただし、金利が一緒であったとしても、「頭金あり」の方が、「頭金なし」に比べて借入額の減少で金利負担が少なくなるので、やはり総支払額は少なくなる。頭金があったほうが、お得なのは確かだ。

 また、転勤などを命じられてせっかく購入した自宅を売却しなければならない可能性があるなら、頭金を払っておいたほうがいい。自宅を売却する時に、物件価格が大きく下落していると、売却した資金だけで残りの住宅ローンを支払うことができず、貯金を取り崩したり、売却そのものがキャンセルになってしまったりする可能性がある。一定の頭金を積むことに合理性はある。

貯金を全額はたいて頭金を作るのはダメ
1、2年分の生活費を手元に残しておくべき

 だからといって、貯金のほぼ全額を頭金に回すのはよくない。そうアドバイスするのは『住宅ローンのしあわせな借り方、返し方』(日経BP)の著者でファイナンシャルプランナーの中嶋よしふみ氏だ。各家庭の状況にもよるが、頭金を用意できるにしても貯金の一部は現金のまま手元に置くことがポイントになる。その理由を端的に語ってくれた。

 「マイホームを購入するときは産休、育休、時短勤務など、収支が大きくブレる時期と重なりやすいので、頭金を無理に用意しようとせず、1、2年分の生活費を手元に残しておくことで、ライフプランの変化にも柔軟に対応できると思います」と中嶋氏。

 例えば、将来子どもの進学先が私立校であれば、その期間は家計の負担が大きくなるだろう。不確定な時代だからこそ、年収の増減だけでなく、突然の会社の倒産なども考慮して、手元にまとまった貯金があると安心だ。

 仮に年間500万円程度の生活費がかかる人が、貯金を1000万円持っていれば、全額頭金に回すのではなく、半分の500万円を頭金にして残りの500万円は手元に置く。頭金を払った後も、1年以上の生活費を常にキープしておくことが、ライフプランを支える上での大きな安心となるだろう。

 頭金があるのはいいことだが、それで貯金が底をついてしまっては元も子もない。自分のライフプランをよく考えたうえで、適切な頭金を用意するか、時にはあえて頭金を用意せずにフルローンで借りるという柔軟な対応をすることが、重要ではないだろうか。

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※借入金額3000万円、借り入れ期間35年(詳細な条件は表組の下に記載)
順位
銀行名 <商品名>
実質金利
(費用等含む)
表面金利
(費用等除く)
保証料
(税込)
事務手数料
(税込)
1位
◆りそな銀行 <WEB限定借換ローン(当初型)10年固定>
0.670%
0.500%
0円
借入額×2.16%+3.24万円
【りそな銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
大手銀行の一角で住宅ローンの獲得に積極的。特に借り換えに力を入れており、10年固定金利は実質金利でも非常に金利が低い。WEB限定商品は他の商品と諸経費が違って割高だが、それでも競争力がある。オプションとして、16の特定状態・所定の要介護状態を保障する新しいタイプの団体信用生命保険を提供している
2位
◆みずほ銀行 <最後まで変わらずおトク!(ネット) 10年固定>
0.845%
0.825%
借入額×2.06% ※1
3.24万円
【みずほ銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
3大メガバンクの一つで全国に支店があるほか、ネット住宅ローンをラインナップする。オプションである「8大疾病補償プラス」は、保険料が安く、途中解約可能で使い勝手がいい。返済期間は変えずに、一定期間返済額を増減額したり、借り入れ期間を延長したりできる「ライフステージ応援プラン」も用意する
3位
◆イオン銀行 <[期間限定]特別金利プラン 10年固定>
0.859%
0.590%
0円
借入額×2.16%
【イオン銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
イオンでの買い物が5年間、5%オフになる(年間90万円まで)ので、合計で最大22.5万円分のメリットがある。固定期間終了後の金利優遇幅が大きく、実質金利では上位に顔を出す。売買契約金額・工事請負契約金額の105%まで借りられるので、諸経費やリフォーム費用も住宅ローンと一緒に、低い金利で借りられる
イオン銀行の住宅ローンのの公式サイトはこちら
【関連記事】イオン銀行の特典「イオンでの買い物5%オフ」が本当にお得か検証!
【関連記事】[イオン銀行の住宅ローンの金利・手数料は?] 8大疾病など充実の保障特約も
4位
◆カブドットコム証券 <三菱東京UFJネット住宅ローン 10年固定>
0.867%
0.600%
0円
借入額×2.16%
【カブドットコム証券の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
同じグループである三菱東京UFJ銀行のカブドットコム証券専用住宅ローンを販売する。ネット専用商品ならではの低金利を実現しており、固定期間終了後の金利優遇幅も大きめなので、実質金利は低い。事前審査から契約まで窓口に行く手間がないのは便利だ。金利タイプは少なめ
カブドットコム証券の住宅ローンのの公式サイトはこちら
【関連記事】[カブドットコム証券の住宅ローンの金利・手数料は?]三菱東京UFJ銀行の住宅ローンを低金利で提供!契約まで来店不要で、保証料・一部繰上返済が無料
5位
◆楽天銀行 <変動金利(固定特約付き)10年固定>
0.870%
1.095%
0円
32.4万円
【楽天銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
金利、諸経費が安いだけでなく、固定金利期間終了後に適用される金利も安めで、実質金利で見て競争力が高い。事務手数料は一律32万4000円であり、他のネット銀行の多くが採用する2.16%に比べて安い。また、事前審査の結果は最短で翌日、本審査は3~4日で回答する。店舗に行かず契約が可能
6位
◆ソニー銀行 <住宅ローン 10年固定>
0.882%
0.898%
0円
4.32万円
【ソニー銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
手数料が4.32万円と安い「通常の住宅ローン」は全期間固定と一定期間固定の商品に強みがあり、借り入れ時の金利が低いだけでなく、固定期間終了後の金利も低めに設定されている。全期間固定(20年超)なら、こちらを選ぼう。もう一つの商品である「変動セレクトローン」は変動金利向けの商品で、表面金利の低さはトップクラスだが、手数料は借入額の2.16%かかる
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