英国株で久しぶりの大型IPOとして、
SNSサービスの運営会社「スナップ」が上場
このところ米国の新規株式公開(IPO)市場は、閑古鳥の状態でした。しかし今週の3月1日(水)、久しぶりに注目度の高いネット企業が値決めされ、翌2日(木)から取引が開始されます。
それはソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の「スナップチャット」を運営するスナップ(ティッカーシンボル:SNAP)です。
今回売出される株数は2億株、価格レンジは14〜16ドルです。
ディール後の発行済み株式数は11.57億株ですので、16ドルで値決めされたと仮定すると、時価総額は185億ドルになります。
スナップが運営する画像共有SNSサービス
「スナップチャット」とは?
拡大画像表示
スナップチャットは、友達の間で写真を共有するサービスです。スマートフォンでスナップチャットのアプリを開くと、すぐにカメラが起動します。気軽にセルフィーを撮り、友達に送信するわけです。
相手が見終わった写真はすぐに消えてしまいます。この自動消去を前提としたサービスというのが、同社の大きな特徴です。
スナップチャットのサービスは、
ツイッターやフェイスブックより若い層にアピール
スナップチャットのユーザー層は、13歳から34歳です。これはフェイスブック(ティッカーシンボル:FB)やツイッター(ティッカーシンボル:TWTR)などのユーザー層よりかなり若いと言えます。
このことは、広告主が若い消費者に訴求しようと思えば、スナップチャット上で広告キャンペーンを展開した方が有利であることを示唆しています。
「スナップ・アド」や「スポンサード・レンゼズ」など
訴求力の高い新しいスタイルの広告を提供
スナップチャットは、「スナップ・アド」と呼ばれる広告を2015年半ばから実装しています。「スナップ・アド」は縦型広告を基本としています。これはスマートフォンの画面が縦長だからです。
また、「音声あり」の広告を標準としており、実際に60%の広告が音声ONで視聴されています。
さらに、「アタッチメント」と呼ばれる機能を通じて、広告を見たユーザーがすぐにリアクションを返すことを可能にしています。
スナップチャットは、もうひとつ「スポンサード・レンゼズ」というインタラクティブ広告も提供しています。「スポンサード・レンゼズ」は、自撮り写真をより面白く加工できる、広告付きのエフェクトです。
このようなユーザー参加型の広告は、訴求力が大きいので広告主から好評を博しています。
売上げは順調に推移するも、
利益はいまだに赤字状態
2015年に5866万ドルだった売上高は、2016年に前年比+600%の4.05億ドルに増えました。2017年の売上高は10億ドルを超えるだろうと言われています。
一方、利益の方は、まだしばらくの間、赤字が続く見込みです。ちなみに2015年は3.73億ドルの赤字、2016年は5.15億ドルの赤字でした。
スナップは、サイトの運営をすべて外部へ委託しています。言い換えれば自社でサーバやストレージなどのハードウェアを抱え込んでいないということです。
外部に委託した運営コストは、すべて費用として計上されます。その関係で、同社の収益構造は比較的シンプルであり、ユーザー当たり売上高とユーザー当たりコストの関係だけを見ていれば、いつ黒字化するかの見当を付けることが出来ます。
現在は、下のチャートでわかるように、まだユーザー当たりコストがユーザー当たり売上高を上回っており、赤字です。
しかし、2016年の第1四半期に比べると、ユーザー当たりコストはユーザー当たり売上高に接近してきていることがわかります。
フェイスブックの新サービスが
スナップチャットのライバルに
スナップチャットは、主にフェイスブックが提供する画像共有サービス「インスタグラム」と競合しています。実際、フェイスブックは2013年にスナップに対して30億ドルの買収提案をしましたが、これはスナップ側から却下されています。
スナップチャットには「ストーリーズ」という機能があるのですが、インスタグラムもこれを真似て「インスタグラム・ストーリーズ」というサービスを去年の8月から実装しています。
2015年第4四半期から2016年第3四半期までの間に、スナップチャットは4600万人のデイリー・アクティブ・ユーザーを獲得しました。これは四半期ベースに直すと1150万人です。
しかし、ライバルのフェイスブックが「インスタグラム・ストーリーズ」のサービスを開始してからは、四半期ベースで僅か250万人のデイリー・アクティブ・ユーザーしか獲得していません。
このことから「『インスタグラム・ストーリーズ』がスナップチャットの成長を邪魔しているのではないか?」という憶測を生んでいます。
【今週のまとめ】
ユーザー層の若さなど強みも多いが、ライバルの存在がリスクに
スナップは若年層のユーザーを掴んでいるので、その層をターゲットにしたい広告主にとって魅力的です。インタラクティブ性を強調した広告プラットフォームは、訴求力が高いです。
こうした魅力がある反面、ライバルのインスタグラムがスナップのサービスを真似た「インスタグラム・ストーリーズ」を開始して以来、スナップのユーザー成長に鈍化が見えています。これはリスクだと思います。
【※米国株を買うならこちらの記事もチェック!】
⇒米国株投資で注意が必要な「為替」と「税金」とは?「特定口座(源泉徴収あり)」か「NISA口座」で投資をして、口座内に「米ドル」を残さないのがポイント!
※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
【2024年12月2日時点】
「米国株」取扱数が多いおすすめ証券会社 |
◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約4900銘柄 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)※買付時の為替手数料が無料/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
【マネックス証券のおすすめポイント】 外国株の取扱銘柄数はトップクラス! また、米国株の買付時の為替手数料が0円(売却時は1ドルあたり25銭)となるキャンペーンが長期継続しており、実質的な取引コストを抑えることができる。さらに、外国株取引口座に初回入金した日から20日間は、米国株取引手数料(税込)が最大3万円がキャッシュバックされる。米国ETFの中で「米国ETF買い放題プログラム」対象21銘柄は、実質手数料無料(キャッシュバック)で取引が可能。米国株の積立サービス「米国株定期買付サービス(毎月買付)」は25ドルから。コツコツ投資したい人に便利なサービス。米国株は、時間外取引に加え、店頭取引サービスもあり日本時間の日中でも売買できる。また、NISA口座なら、日本株の売買手数料が無料なのに加え、外国株の購入手数料も全額キャッシュバックされて実質無料! 企業分析機能も充実しており、一定の条件をクリアすれば、銘柄分析ツール「銘柄スカウター米国株」「銘柄スカウター中国株」が無料で利用できる。 |
|
【関連記事】 ◆【マネックス証券の特徴とおすすめポイントを解説】「単元未満株」の売買手数料の安さ&取扱銘柄の多さに加え、「米国株・中国株」の充実度も業界最強レベル! |
|
◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約5300銘柄 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
【SBI証券のおすすめポイント】 ネット証券最大手のひとつだけあって、米国から中国、韓国、アセアン各国まで、外国株式のラインナップの広さはダントツ! 米国株は手数料が最低0米ドルから取引可能で、一部米国ETFは手数料無料で取引できる。また、2023年12月1日から米ドルの為替レートを「0円」に引き下げたので、取引コストがその分割安になった。さらにNISA口座なら米国株式の買付手数料が無料なので、取引コストを一切かけずにトレードできる。米国株を積立購入したい人には「米国株式・ETF定期買付サービス」が便利。また、米国株の信用取引も可能。さらに、リアルタイムの米国株価、48種類の米国指数および板情報を無料で閲覧できる点もメリットだ。米国企業情報のレポート「One Pager」、銘柄検索に使える「米国株式決算スケジュールページ」や「米国テーマ・キーワード検索」、上場予定銘柄を紹介する「IPOスピードキャッチ!(米国・中国)」など情報サービスも多彩。「SBI 証券 米国株アプリ」は「米国市場ランキング」「ビジュアル決算」「銘柄ニュース」などの機能が充実している。 |
|
【関連記事】 ◆【SBI証券の特徴とおすすめポイントを解説!】株式投資の売買手数料の安さは業界トップクラス! IPOや米国株、夜間取引など、商品・サービスも充実 ◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社! |
|
◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約4750銘柄 | <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル) |
【楽天証券おすすめポイント】 米国、中国(香港)、アセアン各国(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア)と幅広い銘柄がそろっており、米国株の信用取引も利用可能! 指定の米国ETF15銘柄については買付手数料が無料で取引ができるのもお得。さらに、2023年12月からは米ドル⇔円の為替取引が完全無料! NISA口座なら米国株の売買手数料が0円(無料)なのもメリットだ。米国株の注文受付時間が土日、米国休場を含む日本時間の朝8時~翌朝6時と長いので、注文が出しやすいのもメリット。米国株式と米国株価指数のリアルタイム株価、さらに米国決算速報を無料で提供。ロイター配信の米国株個別銘柄ニュースが、すぐに日本語に自動翻訳されて配信されるのもメリット。米国株の積立投資も可能で、積立額は1回3000円からとお手軽。楽天ポイントを使っての買付もできる。銘柄探しには、財務指標やテクニカル分析などの複数条件から対象銘柄を検索できる「米国株スーパースクリーナー」が役に立つ。 |
|
【関連記事】 ◆【楽天証券おすすめのポイントは?】トレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ!投資信託や米国や中国株などの海外株式も充実! ◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい! |
|
◆DMM.com証券(DMM株) ⇒詳細情報ページへ | |
米国株の取扱銘柄数 | 取扱手数料(税込) |
約2400銘柄 | 無料 |
【DMM.com証券おすすめポイント】 米国株の売買手数料が完全無料なので、取引コストに関しては割安! ただし、配当金が円に両替される際の為替スプレッドが1ドルあたり1円と高いので、配当狙いで長期保有する人は注意が必要だ。他社と違う点としては、外貨建ての口座がなく、売却時の代金や配当が自動的に米ドルから円に交換されること。米ドルで持っておきたい人には向かないが、すべて円で取引されるため初心者にとってはわかりやすいシステムと言えるだろう。また、米国株式と国内株式が同じ無料取引ツールで一元管理できるのもわかりやすい。米国株の情報として、米国株式コラムページを設置。ダウ・ジョーンズ社が発行する「バロンズ拾い読み」も掲載されている。 |
|
【関連記事】 ◆DMM.com証券「DMM株」は、売買手数料が安い!大手ネット証券との売買コスト比較から申込み方法、お得なキャンペーン情報まで「DMM株」を徹底解説! ◆【証券会社比較】DMM.com証券(DMM株)の「現物手数料」「信用取引コスト」から「取扱商品」、さらには「最新のキャンペーン情報」までまとめて紹介! |
|
【米国株の売買手数料がなんと0円!】 |
※ 本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。 |