世界投資へのパスポート
【第255回】 2013年3月11日公開(2017年11月30日更新)
バックナンバー 著者・コラム紹介
広瀬 隆雄

アベノミクスで進行する円安、“ドル”側の理由

1

【今回のまとめ】
1.米国経済の好調がドル高バイアスの原因
2.米国の雇用統計はよかった
3.歳出強制削減でFRBは現状維持を選好
4.長期で見れば、最初に引締めに転じるのは米国

なぜドル高のバイアスがかかっているか

 これまでのところ、「アベノミクス」は具体的な金融政策が矢継ぎ早に打ち出されるというよりも、もっぱら“口先介入”的なトークが先行しています。それにもかかわらず、円安のトレンドが上手く演出できているのは、なぜでしょう?

 私はその一因として、比較感で見た場合、米国の経済がしっかりしていることが、大きく影響していると考えています。

 先週金曜日(3月8日)に発表された2月の非農業部門雇用者数は、+23.6万人と市場予想の+17.1万人を大きく上回る数字でした。

 2012年の12月の数字は+2.3万人、1月の数字は-3.8万人修正されています。

 2月の失業率は7.7%と、予想の7.8%よりよい数字でした。

 ただし労働力参加率は63.5%と前月より0.1%下落しており、1981年以来の過去最低でした。もしこの数値がリーマンショック前の66%程度だったと仮定するならば、現在の失業率は10.7%であることになります。

 言い換えれば失業率の改善は、長引く不況で求職を諦めてしまった人(=失業者には算入されません)に助けられた、下駄を履いた数字だということです。

 そういう割り引いて考えなければいけない点があるものの、全体としては今回の雇用統計は、米国経済の底堅さを確認するものだったと言えます。

【2018年9月1日更新!】

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