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ソロス・チャートが物語る1ドル=110円突破の公算
為替相場は前代未聞のパラダイムシフトを迎えたか?

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第276回】 2013年5月21日
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100円を突破した円安はいつまで続く?
ソロス・チャートに見る為替の背景

 為替市場で円安傾向が続いている。ドル・円相場は、当面の節目と見られていた1ドル=100円の壁を予想外のスピードで突き抜け、足もとでは102円台の展開になっている。為替市場関係者の間では、今後も円安傾向が続くとの予想が有力で、中期的には110円を超えてさらに円安が進むというドル強気(ドル・ブル)の見方もある。

 為替市場の関係者がよく使う分析手法に、ソロス・チャートと呼ばれるものがある。ソロス・チャートとは、有力投資家であるジョージ・ソロス氏が考案したテクニカル分析の手法だ。

 ドル・円の為替レートと、日米の中央銀行が供給する資金供給量=ベースマネーとの間には密接な関係があると想定し、資金供給量に基づいて為替相場の展開を予想する。

 そのソロス・チャートに従って考えると、黒田日銀総裁の“異次元の金融緩和策”によるマネタリーベースが大幅に増加したことで、円安が一段と進むことが考えられる。

 また、わが国経済にインフレ期待が醸成されるとの見方や米国経済の回復期待も、ドル高・円安傾向を支える重要なファクターになっている。

 そうした材料を背景にして、ヘッジファンドなどの投機筋や為替ディーラーなどは、いずれもドル買い・円売りのオペレーションを行っている。これらの要因が大きく変化しなければ、当面、ドル高・円安の傾向が続くだろう。

 ソロス・チャートの基本的な考え方は、中央銀行が市中に供給するお金の量=ベースマネーと、当該国の為替レートには密接な関係が存在するという点だ。そのロジックは、中央銀行が通貨の供給量を増やすと、当該通貨に対する相対的な需要が弱まり、通貨の価値が低下し易くなる。逆に、通貨供給量が相対的に減少すると、当該通貨の価値は上昇する可能性が高くなる。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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